第48話

翌日の朝 4 ~智洋‘s side~
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2021/06/08 15:05
昨日は結局ほとんど寝れずに起きていて、


朝ごはんにって、パンケーキ作って食べたら、



…あかん、めっちゃ眠たくなってきてん。

ソファに座ってはみたんやけど、

智洋
ヤバい、俺、今めっちゃ眠い

このまま家に帰る自信は正直言ってない。


あなた
少し休んでいけば?

あなたの言葉に甘えて、ソファに横になる。



…俺、シゲのこと、文句言われへんな。



眠気はすぐに訪れて、俺はそのまま深い眠りに落ちていった。





…ピピピピ



遠くでスマホの目覚ましの音が聞こえる。



…今何時や。



アラームを止めようと、うっすら目を開けたら、



すぐ近くにあなたがおって、

一瞬、夢か現実か、分からんくなってた。

智洋
…んっ、あなた…?

そん時、目の前のあなたが驚いて、後ずさりしようとして、



後ろにあるテーブルにつまづいて、バランスを崩しそうになってた。

智洋
危ないって、

思わず、その腕をとって、自分の方に引き寄せる。



勢い余って、あなたが俺の胸に飛び込んできた。

…まだ夢みてんのか?



あなたが俺の腕の中にいる。



首筋にうっすら残る”しるし“が目に入った瞬間




身体中の血液が沸き上がる感覚がした。

思わず回した腕に力が入る。



わずかな時間が永遠に感じるように、時が止まる。



…このまま、ずっとこうしていれたら…。
あなた
…神…ちゃん?

あなたの困ったような声で、ようやく我に返り、その腕をほどいた。


智洋
ご、ごめん。大丈夫やった?

あなたが小さく頷く。



どことなくぎこちない空気が流れてく。


智洋
おかげでゆっくり休めたわ
智洋
ほな、俺行くな

いつものように、あなたの頭に軽く触れて



荷物を持って玄関に向かう。

…早く行かな。



心臓が破裂しそうなくらい、胸が苦しい。



でも、それを見せたくはないんや。

智洋
じゃあ、また来るわ。
あなた
うん、またね

いつものように、話して、玄関を出る。



あなたの家が見えなくなるところまで来て、その場に座り込んだ。

…俺、もうあかんわ。



気持ちが溢れて止まらない。



動くこともできず、しばらくその場に座り込んでいた。


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