あれから焦凍くんは、色々と私にアタック?をしてきた。
『梨笑、一緒に飯食おう。』
とか
『寮まで送る。暗くねぇけど、少しでも梨笑といてぇからな。』
とか。
今までも一緒にご飯を食べることはあったし一緒に帰ることもあったけれど、
今までは言わなかったような「好き」を伝える言葉をバンバン使ってきて
私はその度顔に熱が集まっていることが分かる。
周りの人も見ているんだよ?!
と焦凍くんに言ったものの、
『別に良いだろ、見せつけんのもな。、、、あと、その方が梨笑、スッゲェ恥ずかしがってる。可愛いと思うぞ。』
だって。
焦凍くんは私で遊んでいるの?
、、、それ以外にも。
だって、普通に焦凍くんカッコいいし、超絶モテる男の子にそんなこと言われたら、
やっぱり恥ずかしい。
たまに焦凍くんにかけられた言葉が恥ずかしすぎて授業に集中できないときもある。
そろそろ、耐性つかないかなぁと期待しているのだが
一向にそんな気配はなくいつも焦凍くんのペースに乱される。
私は意思が強いわけでもないから焦凍くんの押しを受けられるわけもなく、
ただただ私は焦凍くんの言葉、行動を受けている状態。
いつ終わるのやら、、、
そしてもう一つ問題が。
カルマくん。
あのあと、カルマくんも来てくれた。
『、、、梨笑、体の方はどうなの?』
珍しく暗い顔をするカルマくん。
『あっ、も、もう大丈夫だよカルマくん!心配してくれてありがとうね、、、!』
ついさっき焦凍くんに告白されたばかりでまだ顔が熱かった。
『、、、先、越されちゃったなぁ、、俺。カッコ悪。』
『え、、、?』
『好きだよ、梨笑。』
『、、、、、?!?!』
『梨笑はさ、すっごく鈍感で俺の気持ちなんて知らなかったでしょ?あいつの気持ちも知らなかったわけだし。ずっと中学の頃アタックしてたのに全然気付かないから、わざとかな?って思うくらいだったよ。』
『え、、、////』
『でも、、梨笑にどっちを選ぶ?って聞いたら、、俺を選んではくれないと思う』
『え、、、なんで、、』
『だってさ、梨笑とあいつが話してるときは、なんか俺と話してるときと違うから。』
『そんなこと、、』
『あるよ。梨笑は恋愛に疎いけど、別に恋しないわけじゃない。人間なんだから。ただ梨笑の持ってる気持ちが恋だってことに気付いてないだけ。』
『え、、、』
『俺、梨笑のこと好きだよ。幸せになって欲しい。だからこそ俺は諦める。、、、あ、でも、それが俺の見当違いだったらそれはそれで嬉しいんだけどね?俺のものになって欲しいし。』
『、、、』
『大好きだったよ、梨笑。そんで、、これからはさ、「ちょっと他のやつより仲の良い男子」ってことでよろしく。』
『、、、、、うんっ!ポロポロ』
あぁ、、、
なんてカルマくんは
優しくて、カッコいい人なんだろうか。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。