翌日(放課後)
「昨日の子、まだかな?」
『もうすぐ来るんとちゃう?』
「う~ん...やっぱ名前、聞いとけばよかったなぁ...」
『それは思う』
「あとで、名前聞かなきゃ」
『うん、』
ーーーーー・・・・・
ガラガラッ
「こんにちは、」
『あ、きたきた!!...ってあれ?昨日の子ちゃうなぁ、』
「あ~、ごめんなさい、もうすぐしたらあなたの下の名前来ると思うんで!すみません💦」
『あなたの下の名前?..』
「あれ、名前聞いてないですか?」
「聞きそびれちゃって...」
「あ、そうなんですね!すみません、...あの子、あなたの下の名前って言います。」
『あなたの下の名前、あなたの下の名前、...おぉ、...あなたの下の名前、 おっけ!!覚えたで!』
「(笑)、あ、私は麗華って言います。」
『麗華ちゃんな!よろしくな!あ、なんならモデルやらへん?麗華ちゃんも』
「や、私はいいですよ(笑)、あなたの下の名前を使ってあげてください(笑)」
『でも、まだやるって言うてないんよ、あなたの下の名前ちゃん、』
「え!!そうなんですか??」
『そうなんよ、だから今日来るって言ってん、』
「あ~....そーゆーことか」
「麗華さんは付き添いなんですか?」
「そうなんです!(笑)、あの子、1人で行くの無理~!!って言って私にすがり付いてきたの(笑)」
『かわええな(笑)』
「あ、この事言ったの、ナイショでお願いしますね(笑)、バレたら怒られちゃうんで(笑)」
『おっけ!』
ガラガラッ
「ごめんなさい、遅れました」
「全然平気だよ、ありがとう」
「いえ、」
『で、どう?モデルやる気ある?』
「…顔出さないなら、少し興味あるかなって思ってて。昔から、こういうの少し憧れてたので…///」
『ならめっちゃええやん!!是非お願いしたい!』
「いいんですか?」
『もちろん!な、タロちゃん!』
「うん、ありがたい」
『じゃ、決定やな!!』
「ありがとうございます。」
「あ、そだ、俺たちの名前言ってなかったよね」
『俺、向井康二やから、よろしく!』
「坂本章太郎です。お願いします、」
「お願いします」
『じゃ、早速やけど、説明しちゃうな』
「はい、」
『まず~、………』
ーーーーーーーー・・・・・・・・
『てなわけで、明日から頼むな!』
「はい、こちらこそお願いします」
『じゃ、今日はかいさーん!!』
「お疲れさま~」
「ありがとうございました~」
『気い付けて帰ってな~!』
てなわけで明日からあなたの下の名前ちゃんが俺らのモデルをやってくれるんよ!
や~、非常に助かる~
もう救世主やな!
や、女神様かもしれん。俺らの部活の危機を救ってくれた優しい優しい女神さん…♪
さ、早速かとちゃんせんせーに報告しに行こー!!
『せんせー!!!』
「どーしたーって、向井またお前か!先生だけじゃわかんないだろ、大体職員室には静かに入ってこい!」
『も~、そんな怒らんでくださいって(笑)もっと軽くいきましょ?軽く(笑)』
「お前、調子乗んなよ?(笑)国語の評価下げるぞ?」
『えぇ、それは勘弁してくださいよ、大貫先生~!!ただでさえ俺国語48点なのに。知ってるやろ?』
「だったら少し考えろ~(笑)、そんなんじゃ彼女もできねーぞー!(笑)」
『っ~!!もぉ!…加藤先生いらっしゃいますか~…?』
「はは(笑)、そうそう、…加藤先生~、向井が呼んでまーす」
「はーい、ありがとうございまーす、で、…どうしたの?向井くん」
『あ、先生、やっと今日、べっぴんさん、見つかりました!!』
「おぉ!どんな子?」
『あなたの下の名前ちゃんです!』
「あなたの下の名前ちゃん?…ってことは、2年のかな?」
『え、2年なんすか!!?』
「うん、たぶん。2年1組の」
えぇ!!?
ってことは、俺と同じ学年やん!!!
しかも2年1組やって!!?
たしか、2年1組は「華の学級」とか言われてる美男美女が集まる特進クラスやったよな??
ひぇえぇえ~~!!!
俺らみたいなちんちくりんとはちゃうなぁ、さすがや!!
「…くん、向井くん、聞いてる?」
『あぁ、すんません、』
「も~、ちゃんと聞いててよね~」
『はい、すみません、』
「これ、写真の台紙だから、撮れたら貼ってね」
『了解です!』
「撮影、明日からだっけ?」
『はい!』
「頑張ってね!」
『はい!お疲れ様でした!!』
「はいはい(笑)、気を付けて帰るんだよ~」
『はーい!!』
『がんばろな、タロちゃん!』
「もちろん!」
『おう!俺ら二人ならいける!!!』
「あはは(笑)、じゃ、また明日!」
『ん、気い付けてな!』
「康二もね!」
『おおきにー!』
明日から久しぶりに相棒のこいつとまた仕事ができる!
ありがとう!あなたの下の名前ちゃん!!!
明日、待ってるからな!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。