「なぁ、そろそろモデル決めないとやばいんじゃない?」
『そうなんよ、それは分かってるんけどなかなか現れてくれへんの。俺たちのことを助けてくれる女神さんがな』
「あとそれだけなんだけどなぁ~...」
『「はぁ~....」』
どうも!
私立・素能学園高等学校に通っている、写真部の向井康二です。
この高校の名前、独特のセンスしてるよな~って毎回思いながら登校してるんけど、なにやら校長がSnow Manっつー巷で噂のアイドルグループが好きみたいでな。
でも、高校名がアルファベットっていうのもあれだから、ってことで、素能になったらしいで!
ちなみに、俺はそのアイドルグループのこと、よう分からんからなにも言えんけど、確かに学校の女子たちもキャーキャーしてるから相当かっこええんやろうな。
誰か、Snow Manっていうグループについて教えてくれへん?
なんか、話題に乗れてなくて少し悲しいから(笑)
じゃなくて本題、本題!
実は今、写真部である課題があってな、それをこなさなきゃいけないんよ、
でもそのモデルが全然なくてなぁ、
あ、課題がなにか?
それはな、べっぴんさんなんよ
べっぴんさん、
美しい女性
もうさぁ、かとちゃん(←顧問の加藤先生)も何を思うたんか分からんけど、べっぴんさんをお題にするなんて頭どうかしちゃったやろ。
だからな、早速貼紙を作っていろんなとこに貼ってるん。
「写真部!! べっぴんさん募集中!! 参加してくれたべっぴんさんには、たこ焼き1舟奢ってあげるで!」って。
なのにまぁ~~ったく人がこない。
このままじゃ写真部、つぶれてまうで...
誰か来てくんないかなぁ....
ーーーーーー・・・・・
「康二~康二~!!!」
「おぉ、タロちゃん、どないしたねん?」
「見てこれ!!ご意見BOXに入ってた!!」
「ん~?...おぉ~!!!!」
タロちゃんが俺に見せてくれたのは、
「少しご相談があるので今日の放課後、お伺いしてもいいでしょうか。」
という一文のメモ
もぅ、ええに決まってるやん!!
むしろ大歓迎!!
でも、ご意見BOXの存在、知っててくれたんやな。
なんか、感動やわ...
今までこのご意見BOXにメモが入ってたことなんてなかったから...
「どう?びっくりじゃない?」
『もう最高!ありがたい』
「このメモくれた子、女の子かな?」
『筆跡からして女子やろ、きっと』
「じゃあ俺、ちょっと髪セットし直してくるわ!(笑)」
『なに言ってんねん(笑)、カッコつけやがって(笑)』
「(笑)、すぐ帰ってくる!」
『カッコよくなって帰ってこい~!(笑)』
にしても、どんな子なんやろなぁ
髪が長くて茶髪だと嬉しいんけど、そんな子、うちの学校におったかな?
あと、欲望言っちゃうなら~...
「ただいま~」
『んはっ(笑)、タロちゃん(笑)』
「ど?決まってない?」
『めっちゃええと思うで(笑)』
「まだ来てない感じ?」
『うん、』
「そっかー、あ、でもさ、このメモ、今日入れてないとしたらここに書いてある今日って違くない?」
『でも、毎日確認してるからそれはないと思うけどな』
「あ~、そっかぁ、...せめて名前だけでもあったらよかったのに」
『恥ずかしいんやろ、』
「そっか、そうだよね」
『あ、そうや、タロちゃん、』
「ん?」
『どんな女子がいいか一緒に言い合ってかない?』
「え、いいね!!やろやろ!!」
『じゃ、まず髪型からやね!』
「おっけ、...いい?いくよ? せーの!」
~~~~~~
ーーーーー・・・・・・
『結構好みちゃうな(笑)』
「ね(笑)、びっくり(笑)」
ちなみに、こちらが結果です ⇩⇩⇩
①髪型
タロちゃん:ボブの黒髪
俺:茶髪のロング
②メガネの有無
タロちゃん:有
俺:なし(コンタクト)
③背の高さ
タロちゃん:160くらい
俺:150~160
④体型
タロちゃん:細め
俺:やや丸めの子
⑤胸の大きさ
タロちゃん:Bカップ以上
俺:Dカップくらい
⑥どんな女子
タロちゃん:かわいい系
俺:かわいい&少しお姉さん系
『ま、どんな子でも俺らは万々歳やけどな(笑)』
「それはそうだよ(笑)」
『にしても、来ないなぁ』
「帰っちゃったのかな?...」
『その可能性もあるな...』
コンコンコンッ
『あ、来た...』
「ね、来た」
『どうぞー!!』
ガラガラガラッ...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!