『──』
扉の先には書類を片手に動き回るアズールで、彼は僕を一目見た瞬間固まった。
かと思えば泣きそうな、安心したような顔をして、一言
そう告げた。
その後、アズールは僕にずっと謝り続けていた。
「もっと違うやり方があったはずでした」
「貴方の気持ちを最優先にするべきでした」
「彼の意志を継げなかったのは僕の管理放棄のせいです」
「謝罪など意味が無いでしょう」
「謝らせてください」
「これは僕の自己満でいいですから」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんなさい」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
少し、うるさかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。