第3話

結婚しましょう
201
2021/05/14 08:39
るぅと
るぅと
すみません。やっぱり驚かれますよね。
(なまえ)
あなた
あの…るーとさんは私なんかと結婚しても良いのでしょうか……
るぅと
るぅと
はい。僕は第二王子なので家柄など関係無く好きに婚姻を結んで良いと父から言われております。
(なまえ)
あなた
結婚したら、私はここで住まわせて貰えるんですか?
るぅと
るぅと
その通りです。
(なまえ)
あなた
……でもそれだとタダ飯喰らいになってしまう
リリー
リリー
た、タダ飯喰らい…
るぅと
るぅと
物は言い様ですね…笑
心配無いですよ。その辺の王妃やご令嬢のようにある程度の社交をして頂ければこちらとしてはとても助かるのです。
(なまえ)
あなた
社交…私、頭が悪いんです。文字は書けないし、言葉もあんまり知らない。
るぅと
るぅと
そこも心配ご無用。王宮専属教師が基礎的な教養から学問まで全て教えてくれます。
(なまえ)
あなた
分かり、ました。結婚します。
るぅと
るぅと
まあ結婚なんてそう簡単に決めれるものでも無………ん?今結婚しますって言いました?
(なまえ)
あなた
はい。
るぅと
るぅと
あ、で、ではこれから、その、よろしくお願いします。
(なまえ)
あなた
はい、よろしくお願いします。
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リリー
リリー
あなたの下の名前お嬢様本当に良かったのですか?
(なまえ)
あなた
なんの事でしょうか…
リリー
リリー
結婚の事でございます。当然離婚は出来ますけれど…
(なまえ)
あなた
もちろんです。むしろ私には勿体ないくらいありがたいお話です。
リリー
リリー
なら良いのですが……あ、お食事が出来上がったようでございます。
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目の前にある色とりどりのキラキラした食べ物。

本当にこれが食べ物なのだろうか。宝石か何かの間違いでは?


それらは見ているだけで心惹かれてしまう。




(なまえ)
あなた
これを…私が食べても良いのですか?
るぅと
るぅと
もちろん!
(なまえ)
あなた
美味しそう…
そう言って席に着き食前の神への感謝をいつもの癖で忘れてしまいがつがつと手で食べ始める。





途中ではっと我に返り自分のお行儀がすごく悪いのを思い出してふと手を止めた。


るぅと
るぅと
あれ、もうお腹いっぱいですか?
(なまえ)
あなた
あ、違うんです…ごめんなさい私お行儀が悪くて……
るぅと
るぅと
なんだそんな事ですか。お行儀はこれから学べば良いのです。
(なまえ)
あなた
うう…
るぅと
るぅと
気にしないで沢山食べてください、今日は貴方の歓迎会なんですから


そう言われてもやっぱり恥ずかしくて手を拭いてもらってナイフとフォークを見よう見まねで手に持って食べた。



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るぅと
るぅと
そうだ、この書類に印を押して頂けますか?それと貴方の名前を。
(なまえ)
あなた
名前…
るぅと
るぅと
ああ、大丈夫です。この国では色々事情のある方が多いですから下の名前だけでも良いのですよ。むしろ指紋にインクをつけた印だけあれば充分です。



そう言われたので親指にインクを付けて紙に押し付ける。



(なまえ)
あなた
ごめんなさい、下の名前はあるけど文字が書けないんです…
るぅと
るぅと
では貴方の名前を教えて頂けますか?
(なまえ)
あなた
あなたの下の名前、です
るぅと
るぅと
じゃあ一緒に書きましょう。



そう言ってるーとさんは私の背後に回り私のペンを持つ手を握った。


まるで後ろから抱きしめられているようでドキドキしてしまう。


るぅと
るぅと
貴方の名前はこう書くんです。



一文字ずつ私の手を動かして書かせてくれる。



だけど男の人に抱きしめられるような事人生で初めてであまり上手くペンが持てない。



(なまえ)
あなた
ごめんなさい…線がガタガタになっちゃった…
るぅと
るぅと
いいんですよあなたの下の名前。


どきり。


急に名前を呼ばれて跳ね上がってしまう。



普通の人はみんなこうなのだろうか。

他人との距離の詰め方がよく分からない私にとって彼はすごく心臓に悪い。



リリー
リリー
ルートお坊ちゃまは天然人たらしですからね…



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