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2021/10/06

第132話

私の理想
ミカ
ミカ
おはよー
ミカ━━高石美華たかいしみかは高校生3年生。

友達も多く、
頭も悪くはない。
人形の様にパッチリした二重の目に
肩につく長さのサラサラストレートの黒髪、
鼻も高く、
全体的にスラリとした体は
まわりに羨ましがられる程だ。

毎朝彼女が教室にやって来ると
必ず友人達が集まってくる。

???
???
おはよー!ミカ!
???
???
ねっ、ねっ!
昨日の話の続きなんだけどさっ!
???
???
ちょっと!
それよりも・・・っ!
友人達の話を笑顔で聞くミカ。

昨日のLINEで話したことの続き、
今日の数学の小テストについて、
登校したばかりなのに
もう帰り道に寄る店の予定を話す者。

正直ミカにとって
全てどうでもいいことだが
こうして自分を中心にしてくれるのは
嬉しい。

それぞれが満足する返事をしてやりながら
ミカはチラと教室の窓際で数人の男子生徒と
話している
ゆるくウェーブのかかった黒髪の
青年を見た。

視線に気づいた青年は
白い歯を見せて笑いながら
右手をほんの少し上げる。

ミカも同じように軽く右手をあげると
友人の1人がめざとく
「あーっ!」と声を出した。
???
???
ミカーっ!
またアキトくんと
イチャイチャしてるっ!
ミカ
ミカ
してないよ。
ちょっと挨拶しただけ
???
???
はいはい、リア充リア充
ミカ
ミカ
これくらい普通でしょ
青年━━村下秋人むらしたあきと
ミカの彼氏である。

2年生の時に
アキトの方からミカに告白して
2人は付き合うことになった。

初めてアキトに出会った時、
ミカは運命を感じて
ずっと彼を目で追っていたのだが
それには深い理由がある。

ミカは幼い頃から
《ミカちゃん人形》という着せ替え人形が
大好きだった。

偶然にも自分と同じ名前の人形。

共働きの両親がミカが寂しくないようにと
買ってくれたのがミカちゃん人形だった。

ミカちゃんと一緒にまとめて
プレゼントボックスに入っていたのは
ミカちゃんの父親と母親の人形━━。
そして、
恋人という設定の
《アキトくん人形》だったのだ。

小さなミカはいつも夢見ていた。

『ミカもアキトくんみたいな
カッコいい恋人がほしい』

高校生になってからも
人形達を可愛がっていたミカは
2年生になった時、
アキトと初めて出会う。

同じクラスになってから
名簿でアキトの名前を知ったミカは
彼のことが気になって気になって
仕方なかった。

背が高く、
整った顔立ちに
爽やかで笑った時に見える白い八重歯が
野性的でドキリとしてときめく。

ミカちゃんの恋人の
王子様みたいな甘い顔立ちのアキトくんとは
全然タイプが違うけれど、
明るく優しいアキトは
クラスの誰よりも魅力的で
ミカは本気で彼に恋をしてしまった。

『ミカちゃんとアキトくんは恋人どうし。
それなら私とアキトだって
きっと・・・!』

人形と自分達を重ねていたミカだったが
まさか現実にそうなるとは。

とても驚いたが
やはり《運命》だったのだと
ミカは喜んだ。

『私の《理想の世界》に
近づいてる・・・!』

ミカの理想は
ミカちゃん人形と同じ世界。
そこは悲しみと孤独とは
無縁な世界。

自分を《1人》にしない《優しい》世界。

《学校》はミカにとって
理想に最も近い場所だった。

・・・そう、《学校・・》は。