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2021/06/24

第8話

蒼君の妹
「夏乃、今日は一緒に帰ろうねー」

そう言いながら近づいてくる百香に私は呆れた。

「百香、今日は数学のワーク提出していない人居残りだよ…」

「えっ!?」

まさに絶望といった様子の百香に私はにっこりと微笑み「明日帰ろう」と言った。

百香はがっくりと肩を落とし軽く頷いた。

私はここ最近ずっと1人で歩く道を、風を感じながらゆっくりと歩いた。

ふと視界の隅に小さな女の子が心配そうに当たりをキョロキョロと見回していて泣きそうな表情だった。

「どうかしたの?」

こういうのは放って置けない、私のお節介なところが出てしまった。私は女の子の目線に合わせてかがみ助けがいるかと尋ねた。

女の子はますます心配そうな表情になり小さく口を開いた。

「お兄ちゃん探しているの…丘の上中学校の生徒なの…」

つまり丘の上中学校にこの子は行きたいのか?

「お兄ちゃんの学年と名前教えてくれる?」

女の子は大きく頷いた。

「3年生、小坂蒼だよ」

「小坂蒼⁉︎」

私はすぐに隣の席の蒼君だとわかる。

まさか蒼君にはこんなにも可愛らしい妹がいたのかと思う。

蒼君の妹さんはよく見れば目が蒼君そっくりだった。癖のないストレートの髪の毛も一本一本細く光が当たると茶色っぽく見える。
「お兄ちゃん私の友達だよ、多分まだ学校にいると思う。一緒に行く?」

そう言って私は蒼君の妹に優しく左手を前に出して答えを待つ。


「うん、行く…」

蒼君の妹はまた大きく頷いて私の左手を掴んだ。


蒼君の妹は、名前を“莉緒りお”と言った。