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2021/06/22

第2話

嫌気
「夏乃一緒に行こー」

移動教室になると必ず右側から聞こえてくる声に私は笑顔で頷いた。


「うん、行こ」


私は教科書をとりあえず掴み、先に出ていこうとしている百香についていく。

相変わらずの元気の良さに呆れてしまいそうになる程だった。
「そういえばさぁ、さっきに授業で先生絶対笑い取ろうとしてたよねー」

クスクスと笑う百香を見ていて私は不愉快になる。

さっきの授業では先生は笑いを取ろうとしたけれど、私のクラスの生徒たちは全員わざとしらけた空気を作って先生に恥をかかせようとしていた。

私にとってそれは快感で、先生が少しショックを受けていたあの顔を見ることができてたまらなく嬉しかった。


けれど百香はその先生が好きなのだ。


「百香ってまだあの先生のこと好きなの?」

私は内心少しイライラしながら問いかける。

「んーどうだろうね」


そう言ってまたクスクス笑う。

やっぱり好きなんだ…。



私にとって大人は子供の自由を奪う悪者でしかない。

だからどの先生も嫌い。

でもその中であの先生は1番嫌いだった。

宿題ばかりを出して、家庭での自由を奪っているようなものだ。


心の奥では宿題は必要なものだってわかっているし、そう思いたいのはただ現実から逃げている。現実逃避をしているだけ。

だけど大人が嫌いで嫌いでたまらない。