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第1話

プロローグ~昔の記憶~
1人の女の子が僕の家の庭でしゃがんで何かをしている。
僕は彼女に近寄ると立ち止まって背中をトントンと叩いてみた。
藍斗
藍斗
こんなところで何をしてるの?
桜美
桜美
え?
彼女がゆっくりと僕の方を振り向いた。
その顔は近づいたことに気づいていなかったのか驚きを隠せていない。
藍斗
藍斗
何をしているの?
彼女の隣に座りながらもう一度たずねた。
桜美
桜美
これを見て!綿毛だよ!
彼女は庭に埋まっていたいっぱいの綿毛を指さして嬉しそうに隣の僕に言う。
藍斗
藍斗
あ、本当だ!綺麗だね。
そうだ桜美ちゃん、これ知っている?
ふと、昔ママに教えてもらったことを思い出して彼女に聞いてみた。
桜美
桜美
なに?
彼女は大きな愛くるしい目をこちらに向けて不思議そうな顔をした。
藍斗
藍斗
あのね綿毛を飛ばしながら願い事を言うと叶うんだって!
桜美
桜美
そうなの?一緒にやろうよ!
僕達は綿毛を手に持って立ち上がると息を一斉にをふきかけた。
真っ白い綿毛はふわふわと空へ高く舞い上がり、実に綺麗だった。
藍斗
藍斗
ねぇ、願い事何にした?
桜美
桜美
お願いした願い事一緒に言おうよ!
彼女の提案に少し笑いながら、
僕達は目を合わせ、いっせーのと声を合わせこう言った。
藍斗
藍斗
ずっと一緒にいられますように!
桜美
桜美
ずっと2人でいられるように!
と。