東京へ戻ってからは大忙し
仕事はあまり変わらないけどめんどくさい科目を取ってしまったために、単位がやばい
裕ちゃんがこの日行ける?と聞いてくれたけどその日は仕事だったり大学に行かなければ行けなかったり
逆もしかり
私が少ない休みを聞いてみるとバイトと重なってしまったり予備校があったり
夜遅く電話で話すくらいしかできなくなっていった
だからといって興味が無くなった訳では無い
少なくとも私は前と変わらず大好き
裕ちゃんはどうかな、
仕事、大学
その2つ中心の生活を送ってなかなか会えないのを理由に私の事を嫌いになっていないだろうか
私の事好き?
そんなことを電話で聞こうとしたけど返事が怖かった
間が空いたりしたらもう耐えられない
こんなのだから上手くいかないんだ
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事態は最悪に。
「違うって!」
梅原「じゃあなんでこんなにも会えないの?」
「それは仕事が……」
梅原「その理由はさっき聞いたよ」
「大学の方も大変なの!それなら裕ちゃんこそなんでバイトばっかりなの?」
梅原「人数少ないからシフトたくさん入んの、」
「もういいよ。私と会いたくないからバイト入れるんでしょ」
梅原「なんでそうなるんだよ」
「じゃあ変わってもらったりしたらいいじゃん!」
梅原「そんな簡単に休めねーよ。もう無理だよ、あなたのわがままには答えてきたつもりだけどこれ以上はごめんだわ」
「わがままって……!もう知らない」
電話中に喧嘩
最初は小さかったけどだんだんお互いの心の奥に閉まっておいた言葉が出てきた
いや、実際奥じゃなくてもう飛び出しそうなほど限界だったのかもしれない。
裕ちゃんなんて知らない!
なのになんで涙はこんなにも出てくるの……、
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姉「喧嘩?」
梅原「違う」
姉「それにしては随分ピリピリしてんね。それと声荒らげてたけど」
梅原「別に関係ないでしょ」
姉「何があったの?」
梅原「姉貴に関係ないって」
姉「いいから話して。」
梅原「だから、」
姉貴がこんなにも顔を鬼にして聞いてくることは無い
さすがにこのまま意地をはると殴られそうなので正直にあったことを話した
姉「あんたが100悪い」
梅原「……そうか」
姉「当たり前でしょ。あなたちゃんは裕一郎と違って忙しいの。仕事しながら大学でしょ?普通は無理無理。そんな中頑張ってんだから何八つ当たりしてんの。今すぐ謝りなよ」
梅原「分かった……」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。