ディノは、所長室の前まで飛んでくれた。
ディノは戻りたくなさそうだったが、俺も所長との会話を聞かれたくないので、そこは譲れない。
ディノは静かに微笑んで消えた。
俺は深呼吸をしてドアを開けた。
そこには笑顔でデスクに座る所長がいた。
一気に色々なことを言われて、理解できない。
俺は、研修センターを離れるのは嫌だ。
研修生はまだ未熟で実力も経験も足りない。今研修生から離れてはダメだ。そして何より、俺はクプスがいないと生きていけない。
俺がそういうと所長は困ったように言った。
意味がわからない。
要するに、所長は俺と研修生が共倒れにならないか心配しているんだ。依存している分失ったものはでかくなる。
俺はどうすればいいんだ…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。