廉side
俺がそう病室に駆け込んでいくと見たくない景色が広がっていた…
静寂な病室の中に規則正しく聞こえる心電図モニター…
綺麗な顔をして眠っているあなた…
この時思ってしまった…あなたは帰ってこないんじゃないかって…
そんなわけないんだけど…ね?
あまりにもあなたの顔が綺麗すぎて…
そして静寂な病室に啜り声が…
俺は…怖かった…ただただ海人の背中をさすることしかできなかった…
怖かった…涙は堪えようとすればするほど出てきた…
紫耀…ただ紫耀だけは泣いてなかった…
あとから聞いたら1番辛いのはあなたのはずなのに俺らが泣いてたら意味ないって…
紫耀はただ泣けなかったんじゃない…
泣かなかったんだ…あなたのために…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。