第15話

右腕がないんデス そのはち
17
2018/08/13 15:36
下りホームに降り、アイリは、涙を拭きながら、時刻表を確認した

アイリ「これね。兄様、戸川さんも聞いて」

ヒロト「うん」

アイリ「戸川 照之さんが、電車にひかれた同時刻にこのホームから、下り電車が発車しているの。ひょとしたら、その下り電車に、右腕が、引っ掛かり運ばれた。兄様、右腕のこと、何かニュースの記事にあった❔」

ヒロト「イヤ、右腕が切断されたことすら、記事にない❗」

アイリ「電車が終着駅に着いたら、駅員が点検して廻るのよ。酔っぱらいが、いないか、忘れ物はないか、とか、右腕が発見されれば、こんな、珍しいこと、ないから、記事になっているはずよ。」

ヒロト「切断された右腕。終着駅で発見❗みたいな❔」

アイリ「そう❗そんな感じの記事がない。と、言うことは❔」

ヒロト「と、言うことは❔」

アイリ「電車に引っ掛かかった右腕は、どこか、途中の、人目に着かない線路脇に落下して、まだ、発見されてない❗」

ヒロト「なるへそ❗」

アイリ「でも、これは、あくまでも、私の仮説。」

ヒロト「カセツ❔」

アイリ「かも、しれないって話」

ヒロト「なるへそ❗」

アイリ「この仮説を信じて、私と一緒に電車に乗ってくれますか❔」

まばたき、一回、yes

ヒロト「あ、消えた❗」

アイリと手をつないでいるのに、戸川 照之さんの姿が見えない

アイリ「水が渇いてしまったんだ。兄様もう一度、お水をかけて」

僕は、ペットボトルの水を手にかけて、アイリの手を、握った。

戸川 照之さんの姿を、また見ることができた。

戸川 照之さんは、アイリのことを、じっと見つめている。
アイリに、全ての希望を、かけているようだ。

アイリ「来た。これ、この電車に乗るわよ。」

僕達が、今いる駅は、JR中央線 新宿駅 
これから、乗るのは、下り、青梅線直通 奥多摩行

そして、右腕が引っ掛かり運んだと、思われる、事件のあった夜、発車したのも、この、
下り、青梅線直通 奥多摩行

この線路の、どこか、右腕がある。かも、しれない。

僕達は、電車に乗った。車内は、比較的空いていて、座席に座ることができるが、あえて、自動ドアの側に立って、窓の外を見る

アイリ「ミャア、あなたも、なにか、感じたら教えて」

ミャア~😸

ミャアは、座席に飛び乗り、子供が、窓の外を見る様に座る。

アイリは窓の外を、見つめている。

だが、走る電車の窓から、どこかに、落ちている、右腕を探す

無理だ。

しかし、思い詰めた表情で、窓の外を見る、アイリには、言えない。勿論、戸川 照之さんにも、、、

戸川 照之さんは、僕達にとって 他人だ。
今日、初めて会った。血まみれの幽霊として、

そんな人のため、アイリは、必死だ

「なんとかしなきゃ、私にできること。私にしか、できないこと❗」

泣きながら、アイリが、言ってたことを思い出す

わかった アイリ

では、僕は、アイリのために、できること。
僕にしか、できないことをしよう。

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