第10話

右腕がないんデス そのさん
23
2018/08/06 12:54
夏休みに入った

アイリ「兄様 見たい映画がある 付き合って😃❤😃」

珍しくアイリから、外出のお誘い

アイリは、基本的にインドアだ

身体が弱いだけでなく、人見知りが、激しく
友達も少ない

お勉強が大好きで、家に帰っても勉強ばかりしてる

オバアと三味線をひいてるか、あとは、映画が大好きで、ダウンロードレンタルして、映画ばかり観てる

家族の絆を描いた、感動物が大好きで、観て泣いてる

ジブリのアニメも大好きで、DVDで全作品コンプリートしてる

僕を 兄様 と呼ぶのは、ジブリの 
もののけ姫の影響だ
アシタカが旅立つ夜 妹の カヤが、
「カヤは、いつも、兄様を思っています」
これが、アイリの心に響いたそうだ

少女マンガ原作の映画は、こんなん、あるわけ、ないじゃん と、酷評で、毒舌になる

ゾンビ映画を観ると、ナゼか、ゲラゲラ爆笑する

ツボが、わからん

それに、外に出ると、見たくないものまで、見えてしまう
そんな、アイリが見たい映画なんて、よっぽどだろう


ヒロト「わかった 行くか」

アイリ「待って 一緒に家を出たら、デートぽく、ないから、私が先に出て駅前で、待っているから、10分たったら、来て‼」

ヒロト「デートて、、」

アイリ「いいから、じゃあ先行くね」

アイリの夏の必需品 お気に入りの、白い日傘を、さして、

アイリ「行こ❤ ミャア😸」

ミャア~😸


映画館に、化け猫ミャアを連れて行くのか
他の人には、見えないから、まあ、いいか

約束どおり、10分後に家を出た

アイリから、line

兄様 ウザいのが、いるから、早く来て、
やっつけて‼

お前が、10分後に出てこいと、言ったんだ

駅前に着いた アイリが立っているところに、いかにも、チャライ兄ちゃんが、二人まとわりついている

駅前に立っているだけで、たった10分で、ナンパされてるのか、

高校の入学式に、三年生が、一年生の校舎まで、見に集まった、話題の美少女だけの程がある 

さすがだよ 我、妹 アイリちゃん

やっつけて そんなことできるわけない
あの手で、行こう

僕は、息を止めて、頭に血を昇らせた

僕の、顔の右のコメカミから、頬骨にかけて、ナイフで斬られた、傷跡がある、奴に切りつけられた傷 その話は、別の機会に、、

普段は、目立たないが、怒りの感情が高ぶったりすると、これが、くっきり赤い傷跡になって浮かび上がる

この顔が、我ながら、コワイ

最近は、息を止めるだけで、この傷跡を浮かび上がらせることが、コントロール出来る様になった

チャライ兄ちゃんが、アイリに話しかけている
アイリは無視して、スマホいじってる
アイリが僕に気付いて、
アイリ「あ‼彼氏が来た❤」

あぁ〰ん 二人が、振り向き、僕の顔を、睨み付ける

が、僕の顔見たら、固まる そして、何事もなかった様に、ソ〰とっソ〰とっ、その場から、いなくなる

僕は短髪で、身長が、177㎝ある
細身に見えるらしいが、少林寺拳法で鍛えて、肩幅も、それなりにある

そして、コワイ顔の傷

たいていの人が、二人の様にいなくなる

これで、トラブルやケンカに成らないで回避できる

アイリ「遅い❗」

ヒロト「時間どうりだ」

アイリが、僕の顔の傷跡を、じっと見る

ヒロト「スマン、嫌なこと思い出したか、コワイか⁉」

アイリ「なんで謝るの⁉私を守ってくれた時の傷。コワイなんて思ったことない」

アイリの手が、右頬の傷跡に触れる

なんて冷たい手

傷跡が、スーと消えるのが、分かる

アイリ「アシタカと同じ傷 アイリは、いつも兄様を思っています❤」

ヒロト「その台詞、好きだなぁ お前は」

アイリ「行こ❤兄様 ミャア~😸」

ミャア~😸

僕達は、電車に乗った


この時は、血まみれの鬼に出会うなんて、思いもしなかった








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