第12話

右腕がないんデス そのご
21
2018/08/11 11:33
ヒロト「アイリ 見るな」

アイリの体を反転させ、顔を覆い隠す様に抱きしめた 

華奢な肩が、小刻みに震えている

ヒロト「とりあえず、移動しよう」

アイリを抱きしめたまま、駅の階段下、自販機の裏側に、身を隠した

ヒロト「大丈夫か」

アイリ「うん 少し落ち着いた」

くそ‼ 今日一日 あんなに楽しかったのに、
アイリも、ずっと笑顔だったのに、

夏休みの、まだ午後3時過ぎだ。人も少ない駅のホームで、幽霊を見るなんて、

駅のホーム❗

僕は、あることを、思い出し、スマホで、検索した

あった‼ この事故の記事だ

ヒロト「これだ。3日前の金曜の夜、男性が、この駅のホームから、転落 最終電車と接触 即死だった

男性の名前は、戸川 照之 28才 一流大学を卒業し、一流の会社に務めている 

明るく、社交的で、仕事も順調 婚約者もいて、来春には、結婚する予定だった。

遺書らしいものも、無く 自殺の可能性は、薄いが、事件 事故 どちらとも、断定できない

この人の、ことかな⁉」

アイリ「自殺の可能性は、薄い。、、、はぁ‼」

アイリが固まる。その視線の先を振り向き見る

何も見えない

ヒロト「見つかったんだな」

アイリ「うん、こっちを見てる」

ヒロト「おい、誰に、なんの恨みがあるか、知らないが、僕の妹に取り憑くのは、やめろ」

アイリ「違う。兄様、この人は、私に取り憑こうとしているんじゃない。自分の姿が見える、私に、なにか、訴えたいんだ 助けてほしいだ」

訴える⁉ 助けてほしい⁉

僕は、覚悟を決めた

自販機で、水のペットボトルを買う

一口飲んで、気持ちを落ち着かせ、水を手にかけた

アイリ「兄様、それは、止めといたほうが、、、、ミャアとは、違う」

ミャア~😸

ヒロト「いいんだ。さあ、アイリ」

アイリ「わかった。兄様、手を握って」

僕は、アイリの手を、そっと握った

アイリ「私の、眼を見て‼」

僕は、その瞬間、金縛りにあった様に動けなくなった 

アイリの眼を、吸い込まれる様に見つめた

アイリ「私の見てる方向を、一緒に見て、、」

アイリが、視線を、ゆっくり、横にスライドさせて行く

僕は、アイリの眼を追って行く まるで、催眠術にかかっているかの様に、 

アイリの視線の先には、、、

見えるんデス

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