第6話

猫がいるんデス そのろく
22
2018/08/14 13:08
警察署の取調室に、生まれて初めて入った

刑事ドラマより、狭い デスクとパイプイスしかない

「お前が、犯人だろ‼」
いきなり、デスクに頭を、叩きつけられると思ったら、
「ちょっと、調書作るだけだから、協力してください」

僕達を、パトカーに乗せてきた一人のとても温厚な態度の、若いお巡りさん
顔の形も身体付きも、まん丸 耳の形が、柔道部出身だと、物語っている

アイリ「兄様、このお巡りさん、アンパンマンに似てる。リアル-アンパンマンよ‼今日はマント付けてないのかしら」耳元と小声で言う

ヒロト「やめなさい」

僕は、笑いを我慢するため、自分の太ももを、ツネッた

警官「じゃあ まず、どうして、家の中でご老人が倒れているのに、気がついたの⁉」

いきなり核心‼ そこが、一番、説明するのが、難しく 信じてもらえないところナンだけど

ヒロト「ええ〰 妹と公園で遊んでたら、ですね ええ〰その〰」

警官「この暑さのなか?公園で遊んでた⁉君たち高校生でしょ⁉ブランコで遊ぶ年齢でもないでしょう⁉」

おぉ 神よ 僕に嘘はつけません

アイリ「かわいい三毛猫ちゃんが、いたんです、その三毛猫ちゃんと遊んでたら、なにか異変を感じたのか、急に走り出して、後を追いかけたら、オバアさんの家に着いたんです」

警官「へぇ〰そんなことがあるんだ」
感心されてしまった

そうだ、嘘つく必要はないんだ
三毛猫が、化け猫だと、言わなければ

さすが、学年一番の成績の妹よ
頭、いいな
脳みそ、筋肉の僕とは、違う

警官「それにしても、どうやって、玄関壊して入ったの」

アイリ「兄が、少林寺拳法やっていて、前蹴りで、うぉりゃー、って」

警官「ええ‼前蹴りで、古い家だけど、けっこうしっかりした造りだよ、それを前蹴り一発で⁉ ヒロト君だっけ、細い感じだけど、スゴいね」

ヒロト「イエイエ、オバアさんを助けたい一心で仕方なく」

警官「成る程ね。でもこれからは、異常を発見したら、他人の家の玄関を蹴破らないで、110番通報してください」

ごもっともです

僕とアイリは、頭を下げて、謝るしかなかった

「おい、もう、いいぞ」

別の警官が、取調室に入って告げた

「息子さん夫婦が、連絡してきた 母の命の恩人だから、早く家に帰して上げてください。だって」

おぉ 神よ 正直者は救われる


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