それからあっという間に3年の月日が経った。
水谷:石田!!805号室の佐藤さん、何故か鉄分か減らないんだ。
あなた:見せて。
何故、鉄分が過剰に多いんだ?
診断書からは何故か鉄分だけが平均値をかなり上回っている。
あなた:佐藤さんは、何か鉄分を多く含む食べ物や飲み物を自主的に摂っている可能性がある。
水谷:今日佐藤さんに聞いてみるわ(^ ^)
あなた:よろしく
私は院長室を出た。
バタンッ
水谷: ……
大野:石田先生は相変わらずなのかい?
水谷:医院長…はい、美咲ちゃんが亡くなってからあいつは笑顔を一切見せなくなったし、患者さん以外の人には冷たく接するんです。
大野:しょうがないよな…石田は石田なりに頑張ってるんだよな…
水谷:でも、よく立ち直れたと思います。美咲ちゃんが亡くなってから1週間ぐらいあいつは病院に来れなかった…
"自分の妹を亡くした悲しみは僕達には計り知れないものです"
大野:でも、自分の妹だと知ったのは、美咲ちゃんが亡くなってからなんだよな?
水谷:はい。でも美咲ちゃんと石田は本当に仲が良かった。本当に姉妹だと思うぐらいでした。
"美咲ちゃんと喋っている石田の姿はすごい楽しそうだった"
大野:どうやら石田もそれを感じていたらしい。
水谷:どういうことですか…?
約3年前……………………………………………………
あなた:医院長、おはようございます┏○"
大野:おはようございます、石田先生。
それより美咲ちゃんの体調どうなの?
あなた:血圧も心拍数も安定しています(^ ^)
大野:それは良かった!
あなた:……医院長、実は自分には生き別れになった妹がいるらしいです。
大野:えっ…?
あなた:その生き別れになった妹が、
"美咲ちゃん"なんじゃないかなって……
大野:えっ…美咲ちゃんが?
あなた:なんとなくです、何か他の患者さんと違うんです。
"美咲ちゃんだけは命に変えても救いたいんです"
大野:そうか、まぁ美咲ちゃんが実の妹であるかないかは関係なしに、美咲ちゃんをお前が救ってあげてくれ
あなた:もちろんです、私が絶対美咲ちゃんを救います。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!