第2話

春①
816
2019/04/02 10:35
雪ちゃんと一緒に教室に入り席順を確認する。き〜しの間にまさかの誰もいないという奇跡。席前後だ!嬉しくて飛び跳ねて2人で席に着く。こんな幸せな新学期のスタートはない。
如月 律
如月 律
雪ちゃんと席前後とかもう奇跡だぁ
私の独り言を無視しておにぎりを食べ始めた雪ちゃんにつられて私もお腹がすいてきた。
白福雪絵
白福雪絵
りつも食べる〜?
差し出してきたのはカップケーキ
え、天使?
如月 律
如月 律
食べる!…けど私もおにぎりにしようかな〜
白福雪絵
白福雪絵
じゃあお昼に食べようか〜
私も雪ちゃんもかなり食べる。1年の頃からずっと一緒にいてずっと食べてるから周りにはもはや女子としてみてもらえていない笑
そんなのは関係ないけどね!
そうこうしているうちに担任が入ってきて、自己紹介やら何やらが始まった。
すすむすすむ。自己紹介は進む。
担任
担任
…じゃあ次
きてしまったついにきてしまった。
私の番っっ!!!
如月 律
如月 律
え、えええっと
クラスメイト
クラスメイト
何今更緊張してんだよ〜
その一言で教室が笑いに包まれる。ああ少し落ち着いた。サンキューただのクラスメイトよ。
今だけ感謝するぜ。なんて心の中でカッコつけながら自己紹介をする。
如月 律
如月 律
如月律です、えーっと好きなことは食べることとー、スポーツ見るの好きです
1年間よろしくお願いしまーす
思ったよりもあっさりと自己紹介が終わって一安心。自己紹介なんてこんなもんだろっ。
担任
担任
じゃあ次
白福雪絵
白福雪絵
白福雪絵です〜好きなことは食べることで〜、あ、男バレのマネージャーやってます〜
よろしくお願いします
雪ちゃんの自己紹介も終わって、あとはだらだらと聞き流す。さっき私を救ってくれたクラスメイトくんのも聞き流しちゃった…てへ。
始業式も終わって昼休み。
如月 律
如月 律
すずちゃん先輩のとこいく?
白福雪絵
白福雪絵
う〜ん今日はクラスのみんなで食べるんじゃないかな〜
如月 律
如月 律
そっか!そーだ!そーだよね!じゃあ食べよーか!
そう言ってお弁当を広げようとした時、隣でふっと笑う声が聞こえた。え、なんで?
赤葦京治
赤葦京治
いや、なんか木兎さんみたいだなぁって
白福雪絵
白福雪絵
それは私も思ってた〜
え、え、?誰?木兎さんだれ?え、てかこの人だれ??
如月 律
如月 律
雪ちゃんこの人だれ?!
白福雪絵
白福雪絵
あ、男バレの赤葦だよ〜赤葦京治
赤、あかあし??赤葦くん?
赤葦京治
赤葦京治
赤葦京治です
如月 律
如月 律
あ、ど、どうも、如月律です…
白福雪絵
白福雪絵
赤葦も一緒に食べる〜?
赤葦京治
赤葦京治
如月さんがいいならそうしようかな
如月 律
如月 律
どうぞどうぞ!よろしくね!
私は初対面の人に対してはすんごい人見知りなんだけど2、3言話せばすぐにいつものテンションに戻っちゃう。だからまあ嫌われることもあるんだけど、雪ちゃんはすぐに受け入れてくれて本当に大事な友達なんだぁ
如月 律
如月 律
雪ちゃん大好きだぁ
白福雪絵
白福雪絵
え、何急に
赤葦京治
赤葦京治
ふっふふっ笑
私の突然の告白に呆れた様子の雪ちゃんと笑いが止まらない赤葦くん。なんかこっちまで照れてきた。今更。
如月 律
如月 律
今そう思った!
そう言っておにぎりにかぶりついて、ふと思い出した。
如月 律
如月 律
木兎さん…?ってだれ?
白福雪絵
白福雪絵
木兎はねぇ私の幼馴染でバレー部の主将だよ〜
へぇすごい人だ、これ絶対すごい人だよ
白福雪絵
白福雪絵
ほらほら噂をすれば
だだだだだっ
廊下から凄まじい勢いの足音が聞こえてきた。赤葦くんがすごい嫌そうな顔をする。
木兎光太郎
木兎光太郎
あかーーーし!!!昼飯食い終わったかー?!バレーするぞ!バレー!!
赤葦京治
赤葦京治
木兎さん。うるさいです。ここ2年の教室ですよ。
木兎光太郎
木兎光太郎
知ってるよ?!
赤葦京治
赤葦京治
もしかして木兎さん新しいクラスに友達いないんじゃ…
木兎光太郎
木兎光太郎
いるよ!いるから!あかーし哀れみの目で見るのやめて?!
赤葦京治
赤葦京治
哀れみなんて言葉よく知ってましたね
木兎光太郎
木兎光太郎
使い方合ってたか?!
赤葦京治
赤葦京治
合ってますよ。行きましょうか。
赤葦京治
赤葦京治
あ、じゃあ昼練行ってくるんで
わざわざ会釈して、教室を出て行った赤葦くんと木兎さんを唖然としながら見送って雪ちゃんに視線を戻す
如月 律
如月 律
ゆゆゆゆゆきちゃん?今のが木兎さん??
白福雪絵
白福雪絵
そーだよ〜騒がしいでしょ
如月 律
如月 律
どこが私に似てるの?!
白福雪絵
白福雪絵
落ち着きがないところとか〜?
そそそんな、、。私ってあんなに落ち着きがないのか?!や、でもきっと私の方が頭はいいはず。うん。
如月 律
如月 律
雪ちゃんも大変だねぇ
脳内での会議を終えた私は脈絡に合わない返事をする。でも雪ちゃんはこの1年で私に慣れたのか何も言わずに返事をする。
白福雪絵
白福雪絵
だーかーらー律もマネやろうって〜
如月 律
如月 律
でも1年生入ってくるんだから4人もいらないでしょー?
白福雪絵
白福雪絵
むぅ。私は律にやって欲しいのに〜
如月 律
如月 律
うーーん。1年生のマネが入ってこなかったら考えようかなぁ。でもなぁ。
白福雪絵
白福雪絵
律のことは私が守るよ〜?
如月 律
如月 律
ありがとぅー雪ちゃん好きー
白福雪絵
白福雪絵
はいはい〜ご飯食べて〜
昼休みの終わりを告げる悲しいチャイムがなって、廊下の喧騒が各教室に集約されていく。今日は始業式で午前授業だからこの後はロングホームルームしかない。おそらく係決め。授業開始数十秒前に教室に滑り込んできた赤葦くんはワイシャツの第1ボタンを開けてネクタイを少し緩めていた。って自分見過ぎ!
赤葦京治
赤葦京治
どうしたの?
如月 律
如月 律
いや、なんでもない、うん
慌てて目をそらして、いやなした自分とツッコミを入れる。この後は何事もなく係を決めて私はやりたかった修学旅行の委員会に立候補した。のに…
担任
担任
えーっとだれか修学旅行の委員やる人もう1人…
如月 律
如月 律
えええもしかしてみんな私とやりたくないの?!
小さい声で話してたつもりなのにしっかりとクラスのみんなに伝わっていたらしい。さっと目を伏せた。おい。
白福雪絵
白福雪絵
りつちゃん意外としっかりしてるのにね〜なんでかな
如月 律
如月 律
え、意外?意外なの?
白福雪絵
白福雪絵
まあ落ち着きがないからね〜
ショッッック。なぜだなぜなのだ。
赤葦京治
赤葦京治
だれもいないんだったら俺やりますよ
首が一周する勢いで隣を見た。え、まじで?!
担任
担任
あ、じゃあお願いします
ロングホームルームが終わってから赤葦くんに声をかける
如月 律
如月 律
ねね!ありがとう!ほんとにありがとう!もうほんとにありがとう!
白福雪絵
白福雪絵
そーゆーとこだよりつ〜
如月 律
如月 律
はっ!こういうところ!
赤葦京治
赤葦京治
俺は慣れてるから大丈夫だよ笑
フォローになってないよ…赤葦くん…でもいっか!修学旅行まだまだだけど!
如月 律
如月 律
トイレ行ってくる!
宣言してるんるんした気分でトイレに向かった
赤葦京治
赤葦京治
白福、委員会だれも立候補しなかった理由
赤葦京治
赤葦京治
あの子がうるさかったからってわけじゃなくね?
白福雪絵
白福雪絵
知ってるよ〜でも律は気づいてないからいいの〜
赤葦京治
赤葦京治
んだよそれ笑まあそーだなー
白福雪絵
白福雪絵
あれれー?あかーしくんまさかの??
赤葦京治
赤葦京治
ちげーーよ。やめろまだ初対面。
白福雪絵
白福雪絵
あはは冗談だよ〜
教室に戻った時に雪ちゃんと赤葦くんが仲よさそうだなぁっておもって自分の手でカメラを作って向けてたのは2人には内緒

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