2年生になって、クラス替えがあって、新しいことが始まる匂い。桜が舞う梟谷学園にも春がやってきた。
いってらっしゃーいと背中で返事を聞きながら新しいスニーカーを履いて家を出た。大きく息を吸って吐く。満面の笑顔で走り出した。
理由は遅刻しそうだったから…。
曲がり角でイケメンにぶつかるなんて少女漫画チックなことは起きず、心の中でちぇーっと舌打ちしながら校門をくぐる。
後ろから声をかけられてスピードを落とす
元気に挨拶をして声の主を見る。いつ見ても可愛い雪ちゃんがそこにいて、
と声をかけた。
ざわざわと騒がしい人だかりを抜けてボードの方へ向かう。か、、き、、あっ!
声が重なって、お互いの目がキラキラ輝く。2年2組。同じクラス!!
感情をありのままに表現しながら雪ちゃんと校舎へ入っていく。ちょうど下駄箱のところにすずちゃん先輩がいたから声をかける。
すずちゃん先輩は雪ちゃんと一緒のバレー部のマネージャーさんでとっても可愛い先輩なのです✨
この時は思いもしなかった。自分が恋をするなんて。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!