もう1つの紙は……
おかぁさんからの手紙だった
この手紙を読んでるってことは、お母さんホントの事、2人に言えてないんだね
ごめんね
実は、あなたは、養子なの
壱馬は覚えてないかもしれないけど、小さい頃にね、
『 僕、妹が欲しい!』
って、言ったの
でもね、頑張ったんだけど、出来なかったの
だから、あなたを養子として引き取ったの
あなたは、壱馬の一目惚れだったのよ?
壱馬は、あなたを見た瞬間に、一直線にあなたの所に行ってね
『 僕のお家にけーへん?』
って、直ぐに言ったのよ
あの時は、すごくびっくりしたなぁ〜
こんなふうに、あなたを引き取ったのよ
このことを聞いてもきっと2人は仲良くやってくれることを祈っています
もしかしたら、ありえないことがあるかもしれない
でも、お母さんはいつでも応援してるからね
自由に生きてね
大好きよ
お母さんより
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!