第2話

本当の自分
192
2019/01/28 09:37
沙那ちゃん
沙那ちゃん
音羽ちゃーん!一緒にご飯食べよ!
音羽
音羽
うん!
沙那ちゃん
沙那ちゃん
あ、みんなも一緒だけど、いい?
音羽
音羽
もちろんいいよ!
女子
女子
ありがとー
沙那ちゃん
沙那ちゃん
じゃあ行こ!
音羽
音羽
うん!
私は、いつものように、沙那ちゃん達と屋上へ向かった。


沙那ちゃん
沙那ちゃん
え⁉そのお弁当めっちゃ美味しそう!
女子
女子
でしょ~
お母さんが栄養士だから毎日作ってくれるんだよね~
沙那ちゃん
沙那ちゃん
栄養士⁉やば!
女子
女子
沙那ちゃんはパン?
沙那ちゃん
沙那ちゃん
うんw
両親共働きで作る暇なくてさ~
女子
女子
私の卵焼き食べる?
沙那ちゃん
沙那ちゃん
え⁉いいの⁉
女子
女子
もちろん!
あ、ついでにこのピーマンも…
沙那ちゃん
沙那ちゃん
それは嫌いなだけじゃんw
女子
女子
バレたかw
音羽
音羽
………
はぁ…やっぱり馴染めないな…


昼休みが終わって、教室に戻ろうとした時、誰かに声をかけられた。
??
おい
音羽
音羽
⁉はい!
ふいに声がした方を見ると…同じクラスの高瀬くんだった。
高瀬くん
高瀬くん
お前さ…あいつらといて楽しいの?
音羽
音羽
えっ…
なんでそんなことを聞くの?
…いや、なんですぐに答えられないの?
高瀬くん
高瀬くん
いつも愛想笑いして
音羽
音羽
…っ、楽しいですよ!
みんなの話面白いし!
思わずムキになって叫んでしまった。
高瀬くん
高瀬くん
ふーん…あ、教室行かなきゃ
そう言って、高瀬くんは通り過ぎて行った。
何なの?
何がしたいの?
『いつも愛想笑いして』
その言葉が胸に刺さる。
…そうだよ、愛想笑いだよ。
…でも、こうするしかないんだよ…


沙那ちゃん
沙那ちゃん
あれ、音羽ちゃん遅かったね~
教室に行くと、沙那ちゃんに声をかけられた。
音羽
音羽
あ、うん、たか…ちょっとトイレ行ってて
沙那ちゃん
沙那ちゃん
そうだったんだ~!なかなか来なかったから、ちょっと気になってて
音羽
音羽
ごめんね!
沙那ちゃん
沙那ちゃん
ううん、大丈夫!
今安心したから!
沙那ちゃんが優しく微笑む。
本当、沙那ちゃんっていい子だな…
てか、私なんで高瀬くんのこと隠したんだろう…
沙那ちゃん
沙那ちゃん
音羽ちゃん?
音羽
音羽
あ、ごめん!ボーッとしてた!
沙那ちゃん
沙那ちゃん
そっか!何か悩み事あるなら、いつでも私に言ってね!
音羽
音羽
…うん!ありがとう!
沙那ちゃんは、なんでこんなに私のことを気にかけてくれるのかな…

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