第4話

4話
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2019/03/12 16:52
翌日
いつも通り屋上で寝転がって瞼を閉じる
けれど今日は全部いつも通りという訳では無い
いつも明るくて元気な彼女が珍しく屋上に来ない
グク
グク
…こない…か
俺は密かに彼女が屋上に来ることを楽しみにしていた
結果 今日は彼女が屋上に来ることは無く俺は家に帰った
家に着き自分の部屋のベッドに自分の体を無造作に投げる
彼女がいない一日は長いような気がした
何をしていたのだろう。普通に授業を受けていたのだろうか。もう俺と話すのは懲り懲りなのだろうか
俺の話しかけても「うん」「そうだね」「あぁ」しか答えないから?
ずっとそんなことを考えているといつの間にか眠りに落ちていた
目が覚めると午前6時だった
起きるのにはまだ早い時間だが俺は昨日のように不良たちに絡まれるとめんどくさいと思い早めに家を出た
学校につき屋上に着くと
彼女がいた
こちらに気づいて彼女は直ぐに駆け寄ってくる
ハユン
ハユン
ごめんね!昨日は行けなくて
ハユン
ハユン
色々あってさ!
グク
グク
「明日も来る」って言わなかっただろ
ハユン
ハユン
!!!
グク
グク
来ないことくらい分かってた
彼女の横を通り過ぎていつもの場所に寝転ぶと
背後から彼女がトコトコと走っておれの隣に座った
彼女の顔を見てみるといつも以上にニコニコと笑っていた
グク
グク
…今日はいつもよりもニコニコしてるな
ハユン
ハユン
ん?あ!わかった?[ニコ]
グク
グク
見たらわかる
ハユン
ハユン
だってさ!いつも「うん」とか「そうだね」「あぁ」しか言わないし本当に話聞いてくれてるのか分からない君がさ!
ハユン
ハユン
「明日も来る」って言ってなかったからって!
ちゃんと聞いてくれてたのが嬉しくてさ!
グク
グク
(こんな些細なことでも喜べるのか…)
グク
グク
…ふっ
ハユン
ハユン
ん、あ!いま笑ったでしょ!
不覚にも少し笑ってしまった
けど俺は
グク
グク
笑ってない
ハユン
ハユン
いーや、笑った!
ふっ…って言ったもん!
グク
グク
笑ってないって言ったら笑ってない
ハユン
ハユン
え〜
残念そうにする彼女は少し…可愛かった

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