なんか怒ってる?確かに蓮とは2人で喋ってたけど、そこまで怒ること?
キーンコーンカーンコーン
実はクルミと一旦離れられてホッとしていたのはここだけの話。
家庭科室
うわ、めんどくさいな〜と思いながらも席を立ちミシンを机に移動させに行く。
面倒くさいというワードや溜息にこの先生は過敏に反応するのでこっちは溜息すらできない。
ポツリと文句を垂れ流すと近くにいさ似たような状況の子も居た。
クルミだ。ミシンは確かに重いは重いけど一人で持てない重量ではない。やはりアピールだろう。
二人の会話を聞き流しながら私も運び出したところで蓮が爆弾を投下した。
私は顔面蒼白でうげぇと声を漏らした。
なぜなら、クルミは嫉妬深い。他の女子が蓮と話していると割って入るくらいだ。それなのにこんなことをされたらもうこの後はお察しである。
他のみんなは気付いていないだろうが、私は気付いていた。クルミは顔は笑っているが目が笑っていないのだ。
もはや授業を受ける気分ではないが、心に靄を残したまま授業を続行した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!