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第19話

宣戦布告
あなた

え? 私、ですか?

壬生 秋斗
壬生 秋斗
きみだけなんだ。
もっと、深く知りたいって思えたの
そう言って、覆いかぶさってくる壬生先輩を
突き飛ばそうとした。

けれど、できなかった。

壬生先輩は今まで見たことないほど、
切ない顔をしていたから。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
俺、踏み込むならきみがいい
あなた

先輩、それは……

壬生 秋斗
壬生 秋斗
俺はきみが好きだ。
たぶん、生きてきた中で
本当の本当に初めての『好き』だと思う
壬生先輩の生まれて初めての本気の『好き』が
私に向けられている。

(うれしいけど、でも……)
あなた

ごめんなさい。
私には光牙しか、
考えられないんです

壬生 秋斗
壬生 秋斗
……っ、頭ではわかってるのに、
心が受け入れられない。こういうとき、
どうしたらいいんだろうね
あなた

壬生先輩……

私もその答えを見つけられずにいると、
そこへ……。
富藤 光牙
富藤 光牙
無理に諦める必要ないんじゃねえの?
あなた

光牙!

富藤 光牙
富藤 光牙
とりあえず、お前はあなたから離れろ。
病人を襲うな
光牙は私の上に覆いかぶさっていた
壬生先輩の首根っこを掴んで、
べりっと引きはがす。

(先輩に容赦ないな……)

苦笑いしながら、私も上半身を起こした。
富藤 光牙
富藤 光牙
ムカつくけどな、お前はあなたを
本気で好きになったんだろ
壬生 秋斗
壬生 秋斗
うん
富藤 光牙
富藤 光牙
だったら、簡単に消える想い
じゃねえってことだ。
次の恋が見つかるまで、
諦めんのは難しいな
壬生 秋斗
壬生 秋斗
苦しいね、それは……
富藤 光牙
富藤 光牙
あたりまえだろ、失恋したんだからな。
逆に、これまで女にフラれても
なにも感じなかったのか?
壬生 秋斗
壬生 秋斗
俺、フラれたことないから
富藤 光牙
富藤 光牙
お前に聞いた俺がバカだった
げんなりする光牙だったけど、
すぐに「ともかく」と言って壬生先輩を指差す。
富藤 光牙
富藤 光牙
失恋ってのは苦しいもんなんだよ。
痛みが大きいほど、想いも強かった
ってことだ
壬生 秋斗
壬生 秋斗
そっか、俺……初めての恋も失恋も、
あなたちゃんに教えられちゃったわけだ
壬生先輩の悲しみと喜びが同居したような
視線が私に注がれる。

(壬生先輩……)

いつもの軽さはどこにもない。

(今、ここにいる壬生先輩が
素の壬生秋斗なんだ)
壬生 秋斗
壬生 秋斗
うん、
やっぱりきみを諦めるなんて無理だよ
あなた

壬生先輩、それでも私の心は……

壬生 秋斗
壬生 秋斗
今はそれでいいよ。
でも、彼氏からの許可も
下りたことだし……
壬生先輩は私の手を取ると、
なにかを伝えるようにぎゅっと握る。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
いつか、光牙くんから、
きみの心を奪ってみせるよ。
きみを諦めない
清々しい表情をする壬生先輩に、
私は目を奪われる。

(吹っ切れた顔、してる……。
さっきまでの先輩は苦しそうだったから、
なにはともあれ、よかった)
富藤 光牙
富藤 光牙
まあ、やれるもんならやってみろ
壬生先輩に掴まれていないほうの手を
光牙に握られる。
富藤 光牙
富藤 光牙
俺が全力で相手になってやるよ。
あなたは渡さねえ
不敵に笑う光牙に、壬生先輩はそっと私から
手を放すと背を向けた。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
光牙くん、そんなに寛容かんようでいいの?
富藤 光牙
富藤 光牙
あ?
壬生 秋斗
壬生 秋斗
全力で俺を追い払わないと、
うっかりあなたちゃんを奪われちゃう
かもよ