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第10話

絶対にきみを落とすから
低くドスのきいた声が聞こえた瞬間、
私は強く腰を引き寄せられる。
あなた

あっ……

富藤 光牙
富藤 光牙
こいつ、体調が悪いの見てわかんだろ。
いつまでも引き留めてんじゃねえ
(富藤くん!)

その姿を見た瞬間、ほっとする。
富藤 光牙
富藤 光牙
おら、保健室行くぞ
壬生先輩をひと睨みした富藤くんは、
私に手を差し出す。
あなた

うん、ありがと……う

富藤 光牙
富藤 光牙
歩けねえなら、おぶってくぞ
あなた

ごめんね、お願いします……

限界が近かったので、素直に甘えることにした。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
俺のときは断ったのに、
そいつのことは頼るんだ?
壬生先輩は富藤くんと私を見比べて、
楽しげに笑う。
あなた

富藤くんは……
ずっと私を助けてくれてた……から

富藤 光牙
富藤 光牙
お前……
あなた

この人なら大丈夫だって、
そう……思えるんです……

富藤 光牙
富藤 光牙
お前な……こういうのは、
馬鹿正直に答えなくていいんだよ
富藤くんは私を抱え直すと、
保健室へ向かった。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
ますます面白いな、あの子

壬生先輩の呟きも知らずに──。
***

──12月。

ついに冬休みも間近に迫ってきた。

私は学校に登校してきたはいいものの、
37.5度の熱が出て保健室のベッドに
横になっている。
あなた

うう、冬になると毎回これだよ……

季節の変わり目には、
必ずといっていいほど風邪をひいてしまう。

(保健室の先生は、また会議でいないし……)

誰もいない部屋は静かすぎて、
風邪のせいか心細くなる。

そんなとき、ガラガラッと扉が開く音がした。
???
???
先生? あれ、いませんか?
(あれ、この声って……)
あなた

壬生先輩?

つい名前を呼ぶと、足音が近づいてきて、
私のいるベッドのカーテンが躊躇いがちに
開けられる。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
あなたちゃん? どうしたの? 
また、体調悪い?
中に入ってこようとする壬生先輩に、
私は慌てて声をかける。
あなた

だ、ダメです……先輩。
私、たぶん風邪で……うつしちゃう……

壬生 秋斗
壬生 秋斗
いいよ、風邪って人にうつすと
早く治るって言うしね
笑顔で中に入ってきた壬生先輩は、
ベッドサイドにある丸椅子に座った。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
身体、弱いの?
あなた

病気ってわけじゃないんですけど……
昔から、体調を崩しやすくて……

壬生 秋斗
壬生 秋斗
大変だね。なにか……
俺にできること、ないかな
あなた

そんな、大丈夫ですから……。
その、先輩をはどうしてここに?

壬生 秋斗
壬生 秋斗
ああ、体育の授業中に
足を捻っちゃってね。
湿布をもらおうかと思ったんだけど……
あなた

あ……先生、いないですもんね。
湿布なら、冷蔵庫に入ってると思いますよ

壬生 秋斗
壬生 秋斗
詳しいんだね
驚いている壬生先輩に、私は苦笑いする。
あなた

私、よく保健室に通ってるので、
知ってるんです。壬生先輩、
早く足の手当て、してください……ね

壬生 秋斗
壬生 秋斗
心配してくれてるの? 
きみだって、風邪で苦しいはずなのに
あなた

……怪我をしてる人を心配するのは、
当然……です

壬生 秋斗
壬生 秋斗
やっぱ、いいな
言葉の意味がわからなくて、首を傾げると、
壬生先輩が覆いかぶさってくる。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
あなたちゃんが欲しくなった。
絶対に落としたい