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第15話

俺が守ってやる
壬生先輩の手に顎をすくわれると、
いきなりキスされる。
あなた

んんっ!?

(嫌っ……)

私はその胸を叩くと、勢いよく顔を背けた。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
……俺とのキス、
あいつよりよくなかった?
あなた

な、なに言って……

壬生先輩の胸を押し返すも、
力が強くてその腕から逃れられない。
富藤 光牙
富藤 光牙
あなた!
そこへ光牙がやってきて、
壬生先輩の肩を押しやり、
私の腰を引き寄せる。
富藤 光牙
富藤 光牙
あなた、平気か? 
なにもされてねえか?
あなた

こ、光牙……ごめんね。私……

(壬生先輩にキスされちゃった)

(望んでなかったとはいえ、
光牙をまた不安にさせちゃう)

ちゃんと説明しなきゃと思うのに、
目に涙がにじむ。
富藤 光牙
富藤 光牙
あなた、お前……
私の顔をまじまじと見つめた光牙は、
弾かれるように壬生先輩を振り向いて、
鋭く睨む。
富藤 光牙
富藤 光牙
てめえ、なにしやがった
壬生 秋斗
壬生 秋斗
話したら、俺はきみに殺されちゃうかも
富藤 光牙
富藤 光牙
つまり、死に匹敵する大罪を
犯したってわけだな
壬生 秋斗
壬生 秋斗
ふっ、どうだろうね。
キスが大罪になるなら、そうかもね
富藤 光牙
富藤 光牙
てめえっ
光牙は壬生先輩の胸倉を掴んで、
思いっきり放り投げた。

壬生先輩は廊下の壁に背をぶつけるような形で、
尻餅をつく。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
くっ……乱暴だな
そんな壬生先輩の周りに、
取り巻きの女の子たちが集まる。
取り巻きの女の子A
取り巻きの女の子A
ひっどーい!
取り巻きの女の子B
取り巻きの女の子B
壬生先輩、大丈夫ですか? 
もう、なんなのあの乱暴男っ
女の子たちの射貫くような視線が、
私と光牙に突き刺さった。
富藤 光牙
富藤 光牙
うるせえ、外野は引っ込んでろ
壬生 秋斗
壬生 秋斗
そうだねえ。今は俺とあなたちゃん、
光牙くんとの大事な話の最中だ。
少し、静かにしててね、みんな
笑顔だったけれど、有無を言わさない
圧を発して、壬生先輩は立ち上がる。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
光牙くん、俺は人のものほど
欲しくなる性質たちでね
富藤 光牙
富藤 光牙
最低だな
光牙は吐き捨てるように言って、
私を強く抱き寄せた。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
あなたちゃんのこと、俺のにするから。
覚悟してて

私に向かってパチッとウィンクをして、
壬生先輩は女の子たちを引き連れながら
立ち去る。

ふたりだけになると、私はふうっと息をついた。
富藤 光牙
富藤 光牙
あなた、少し歩けるか?
あなた

あ、うん

富藤 光牙
富藤 光牙
ちょっとこっちに来い
怖い顔をした光牙は私の手を引いて、
階段の踊り場にやってくると──。
富藤 光牙
富藤 光牙
上書き、させろよ
光牙は私の顎を持ち上げると、
強引に唇を重ねてきた。
あなた

んんっ!

(上書きって、キスの上書き!?)

目を閉じる間もなく、
私は光牙の柔らかな温もりを受け入れる。
富藤 光牙
富藤 光牙
……っ、悪い
長い時間、触れ合っていた唇が離れた。
富藤 光牙
富藤 光牙
あんなやつに奪われたとか、
すげえ腹立つ
あなた

ごめんね、光牙……

富藤 光牙
富藤 光牙
お前が謝ることじゃねえ。
俺が少しでも、お前から
離れたのが悪かった
ぎゅうっと、
光牙は私を胸に閉じ込めるように抱きしめる。
富藤 光牙
富藤 光牙
もう誰にも触らせたりしねえから、
安心しろ。俺が守ってやる
(守ってやる)

その声が好きでもない人にキスされて、
冷え切っていた私の胸を温かくしてくれた。