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第1話

助けてくれたのは、不良オオカミくんでした
──11月。

肌寒い高校からの帰り道。

今年、2年生になった私は、
16歳にして早くも命の危機を感じていた。
あなた

身体が怠い、喉が痛い、
頭が痛くて割れそう……


生まれつき身体が弱い私は、
すぐに風邪をひく。

おかげで、親友の由真からは
『病弱ムスメ』なんて呼ばれている。


(朝から調子が悪いと思ってたけど、
まさか風邪なんじゃ……)

そんなことを考えているうちに、
意識が朦朧としてきて……

──バタンッ。

気づいたときには、地面に倒れていた。
あなた

誰、か……

(寒気が止まらない……)

掠れる声で助けを求めるも、誰も現れない。

(私、ここで死んじゃうのかな……)

それからどのくらい経ったのか……。

今度は身体が熱くなってきて、
いっそう頭がぼんやりとし始めたとき──。

目の前で誰かが足を止めた。

(ローファー?)

ふたつ並んだローファーをぼーっと見つめていると、額に手が当てられる。

(冷たい手……気持ちいいな……)
???
???
おい、しっかりしろ
(誰……?)
???
???
仕方ねえな
誰かのため息が耳に届くのと同時に、
身体が浮き上がるような感覚がして……

私の意識はプツッと途切れてしまった。

***

ふわふわと、どこかをたゆたっている。

さっきはあれほど寒かったのに、今は──。
あなた

あったかい……

その自分の声で、一気に意識が浮上する。
あなた

え……

瞼を持ち上げると、知らない天井に知らない
知らない紺色のカーテンが目に入って、
頭が混乱した。
あなた

ここ、どこ?

???
???
目が覚めたか
あなた

きゃっ


突然、聞こえた男の人の声に、
私は飛び起きる。

すると真っ先に目を引く、つんつんの銀髪。

(待って、まさか……)

視線を下げていくと、耳には赤いピアス、
首にはシルバーアクセが光っている。
あなた

どうして……

私を見下ろしている強面イケメンの彼には、
見覚えがあった。
あなた

富藤ふどう 光牙こうがくん!?

彼はクラスのある意味、有名人だ。

学校では誰も寄せ付けず、一匹狼な不良男子。

喧嘩が強くて、目が合っただけで殴りかかってくる……なんて噂も聞いたことがある。
富藤 光牙
富藤 光牙
お前、さっきまで高熱で
うなされてたんだよ
あなた

そうだったんだ……

富藤 光牙
富藤 光牙
今も微熱はあるけど、
ずいぶん下がってる
あなた

助けていただいて、
ありがとうございます

富藤 光牙
富藤 光牙
動けんなら、さっさと帰れ。
いつまでも居座られると迷惑だ
冷ややかな視線に射抜かれて、
私は「ひいっ」と小さく悲鳴をあげる。

(い、いかつい……)
あなた

すみませんっ、すぐに帰ります!

私は勢いよく立ち上がった。

その瞬間、くらりとめまいがして、
世界が回ったように見える。
あなた

あっ


(これ、まずいかも……)

そう思ったときには、身体が後ろに倒れていて……
富藤 光牙
富藤 光牙
──危ねえ!
とっさに手を伸ばした富藤くんに、
強く腕を引っ張られる。
富藤 光牙
富藤 光牙
……ちっ、どんくせえ女だな
富藤くんは舌打ちをしながら、
私を抱き寄せた。
あなた

わっ……

(富藤くんの胸が目の前に……!)

心臓がけたたましく騒ぎ出す。

頭が真っ白になった私は……。

富藤くんに抱きしめられたまま、
微動だにできなかった。