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第9話

爽やかアイドル、壬生先輩
富藤 光牙
富藤 光牙
そこがお前のいいところ……
なんだろうな
(えっ)

聞き間違いかと思って、
私は目をパチクリさせる。

すると、背中越しに動揺が
伝わったのかもしれない。
富藤 光牙
富藤 光牙
言いたいことがあんなら言え
あなた

えっと、うれしいなって……
思い、ました

富藤 光牙
富藤 光牙
──っ、そういうことは
言わなくていい。恥ずかしいヤツだな
明らかに照れている様子の富藤くん。

私の頬もかすかに熱を持ち、
いつもよりうんと富藤くんに近づけたような
気がした。

***

翌日、昼休みに腹痛でお腹を押さえながら
廊下を歩いていると──。

──キャーッ!!

歓声が聞こえて、私は顔を上げる。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
みんな、いつもありがとう
背の高い黒髪の男の子が女の子たちから
お弁当やら、お菓子やらをもらっていた。

(あの人って、確か……)

由真曰く、学校の爽やかアイドル。

高校3年生の壬生みぶ 秋斗あきと先輩だ。
あなた

人気なんだなあ

どこか他人事のように思いながら、
私は廊下の端を歩いて保健室へ向かう。
あなた

はあ、痛たた……

ときどき波のように痛みが押し寄せてきて、
額には脂汗が滲んだ。

壁に手をつきながら進んでいると、
歓声が少しだけ小さくなる。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
ねえ、きみ。大丈夫?
あなた

え……

間近で聞こえた声に、
私は億劫だけれど顔を上げた。

そこには、なぜか壬生先輩がいる。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
すごく体調が悪そうだけど、
保健室まで送るよ?
あなた

あ……気を使わせてごめんなさい。
お構いなく

ぺこりと頭を下げて、
その横を通り過ぎようとしたとき、
壬生先輩が呟く。
壬生 秋斗
壬生 秋斗
誘いを断られたのは初めてだな……。
ふっ、面白い
意味深に笑って、壬生先輩は私の腕を掴んだ。
あなた

あの、離してくだ──

壬生 秋斗
壬生 秋斗
俺、こんな状態の女の子を
ほっておけるような男に見える?
あなた

そんなことはないですけど……

(そうじゃなくて、
本当に立っているのもつらいから、
保健室に行きたいんだけど……)
壬生 秋斗
壬生 秋斗
俺が抱えていったほうが早いでしょ?
あなた

それだと目立つので、大丈夫です。
壬生先輩、人気者ですし……

壬生 秋斗
壬生 秋斗
きみは特別。俺が運んであげたいって、
そう思ったんだけど、ダメかな?
爽やかに微笑む壬生先輩に、
何度も断るのは胸が痛む。

とはいえ、取り巻きの女の子たちに
睨まれているこの状況で、
壬生先輩を独り占めする勇気はない。
あなた

壬生先輩のお気持ちは嬉しいです。
だけど、他の女の子たちに悪いですから、
そろそろ……

(本当に保健室に行かせてください!)
壬生 秋斗
壬生 秋斗
やっぱ、きみ面白いね。名前は? 
あ、もちろん下の名前のほうね
(自己紹介する余裕、ないんだけどな……)

とはいえ、相手は先輩なので手身近に名乗る。
あなた

あなたです

壬生 秋斗
壬生 秋斗
学年は?
あなた

に、2年生……

(どうしよう、痛みが強くなってきた……)

片手でお腹を押さえながら、
倒れないように必死に踏ん張っていると……。
富藤 光牙
富藤 光牙
おい、その手を離せ