グクから逃げるためには
どこに行けば…
無我夢中で走っていたら
グイッ と
誰かに腕を引っ張られ、
部屋の中に入った。
パンパン と
パーカーを払いながら
話しかける。
テヒョンはそう言って、
ココアをいれてくれた。
コトッ。
テーブルに置かれたココア。
湯気が私の心とは真逆に、
ゆっくりと出ている。
ココアを飲めば、
また、心は戻った。
そう言って
腕を広げるてて。
ててに
優しく抱きしめられれば、
安心して、
暖かい雫が頬を伝う。
すぅっ と
空気を吸い込む音がすれば、
ハスキーボイスが
部屋中に響く。
強くギュッと
ててに抱きしめられる。
ギュッと抱きしめる、
その強さから、
また安心して、
涙をこぼす。
え、今
大好きって…
ぱっと
目が合う。
テヒョンはすごい人だ。
何を考えているのか分からない、
四次元な姿を普段は見せるくせに、
こうやって、ちゃんと
私や他のみんなのことを考えてくれて、
優しくて、
周りを明るく癒してくれる。
それが、彼の魅力だと、
私はずっとそんなあなたが好きなんだと、
つくづく思う。
2人で
部屋を離れ、
ゲストルームへ着いた。
テテにエスコートされ、
部屋に入る。
すると、
ガチャン。
と静かに金属音が部屋に響く。
ドアが閉まっていて、
まさか、と思い
ドアノブを揺するが、
開かない。
また、
私は、グクのもとへ、
戻された。
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……To be continued
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。