ジミンと手を、指を、
絡ませたままで、
エンドロールが流れ始める。
ポップコーンは減ってなくて、
最初に私が食べたほんの少しだけの
穴がぽっかりと空いていた。
パッ。
劇場内が明るく戻る。
美味しそうに、まるで子犬のように
食べるテヒョンの横で、
青ざめた顔が2つ…
まったく、
私はこの3人のオンマじゃないんだよ?
ほらいくよ、と
ポップコーンを食べたがる5歳児の手を引き、
起き上がらない3歳児共を
引きずって、レストランに入った。
カランカラン。
ドアを開け、
案内された席につく。
カタン。
席についてメニューを読む。
あ、このパスタ美味しそう。
こっちのピザとかもいいかも。
決められない…
え、はや。
決めんの早くない?
そう迷っていたら、
確かにかっこいいわよ、こいつらは。
だからってその言い方…
はいはい、となだめるが、
まだ隣のテーブルの方々は、
お喋りをやめなかった。
あ、テテ、
まさか気づいた、??
フッ、と
1回笑った後に、
テヒョンは私の手を握って、
真昼間に、
レストランでそう言った…
テテの言葉の裏を理解したのか、
3人はわざと隣のテーブルの子達を見るように、
私に話しかけた。
あぁ、またこいつらのせいで、
こいつらのせいで前も、
親友と喧嘩して、
今も、
女の子達に痛い視線があって、
__________無理。
ガタンッ!
待てよ、!
そんな声も聞こえる中、
私の頭には、
カランカラン、
レストランのドアを開けたベルの音だけが
余韻で残った。
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読んで下さりありがとうございます!
まーた暗くなる予感しかしないんですが、
よろしくお願いします…🍑🍑🍑
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。