第19話

ケーキセットとレモンティー
5,864
2018/03/27 07:57

誰もいない家。




私だけ。
















思い出すのは








みんなと馬鹿みたいに笑って、


騒いで、喋って、










そして、夜を共にして。








たった1日いないだけで

こんなに寂しいのか…














チラッ。


まだ時計は、9時を指している。






















…じっとしていられなかった。







You
まずはお洗濯しなきゃ!!







すくっと立ち上がり、


制服を着ていることなんて忘れたまま、




洗濯をし始めた。











You
…なんであいつらここに出すのよっ、//






見たくはないが、いや、

見たことはあるけど…、



みんなの男物の下着を

さっさと

洗濯機に入れ、洗う。










バタン。


洗濯はとりあえず終わり。













そして次は、、、


などと動き回り、終わった頃には、










時計の針は午後の2時を指していた。



You
うそっ、もうっ!?









今日は4時限しかなくて、


部活も何もないから、


みんな帰ってくる。















もちろん、ジョンヨンも。



You
急がなきゃ、







さっき制服を着ていることに気付いたため、


制服を脱いで、







スキニーに、Tシャツ、



束ねていた髪をほどいて、



長いカーディガンを羽織り、




小さな鞄に携帯とスマホと、













みんなで撮った集合写真を入れて、



グロスをつけて、










家を出た。








電話、した方が、いい、かな、













ゆっくりと、


コールボタンを押した。











prrrr、prrrrr、、



ガチャ。


ジョンヨン
…なに?
You
えっと、今から、会えない、かな
ジョンヨン
あなた、学校も来てなかったじゃん。
You
う、うん、そうなんだけど…







どうしよう、早く、





ちゃんと言わないと






You
お願い、、駅前のカフェで待ってる、。
私、ずっと待つから、
ジョンヨン
…分かった、





ガチャ。


ツーツーツー…、







電話が切れた。















すぐに駅前のカフェに向かい、


入り、






入口から遠い席に座った。


店 員
ご注文は?
You
…えっと、このケーキセットとレモンティー1つ、
店 員
かしこまりました。










頼んだケーキセットと紅茶が、



届いても、









ジョンヨンはまだ、来なかった。















時刻は3時半。



電話をしたのは、2時半だ。
















なかなか来ないし、



紅茶が冷めちゃう_____、










そう思ってカップを持った、そのとき。




























カランカラン。


店内にベルの音が響いた。








店 員
いらっしゃいませ、お1人様ですか?
ジョンヨン
いえ、後から来たんで、
もういるはずです、
店 員
かしこまりました。
ではお席にご案内致します。










ジョンヨンが来た。





店 員
どうぞ、
ジョンヨン
あ、えっとこの子と同じもの1つ下さい
店 員
かしこまりました、ではごゆっくり。









店員が去って、



2人、になる。






You
えっと、ジョンヨン…
ジョンヨン
今日、私なんで呼ばれたの?
You
…謝ろうと思って、
ジョンヨン
何を?








ジョンヨンの声はいつもより冷たくて、




でも、落ち着いた声だった。







You
私と、BTSのみんなが、暮らしてるとかいうのを、ジョンヨンに言わなかったこと、
ジョンヨン
あぁ、そのこと…、







フフッ、と笑い出したジョンヨン。




どうして、笑っているの??







ジョンヨン
あの事、あたし、もう怒ってないよㅋㅋ
You
え、えぇ、!?
ジョンヨン
考えてみたら、
言いにくいだろうなーって思ってㅋ





おっかしい、と言いながら笑うジョンヨン。




でも、きっとそれだけじゃない。






You
でも、電話の声、怒ってたよね、、
なんて言われると思って来たの??
ジョンヨン
…それはっ、!
店 員
失礼いたします、
ケーキセットとレモンティーでございます。








話を一度きるために


まるで、

ジョンヨンがおびき寄せたかのように、



店員がやってきた。











失礼いたします、と


立ち去る店員。


You
それは、、何??
ジョンヨン
やっぱりあなたはテテが好きなんだろうな、って思って
You
なんで、、
ジョンヨン
無意識にずっとあなたはテテのこと見てるんだもん、
You
え…
ジョンヨン
本当だよ、






そう言って1口だけ

紅茶を飲んだジョンヨン。








ジョンヨン
私と話している時とか、授業中とか
ジョンヨン
私は中学生の頃から好きなのにって、
幼馴染なのにって、
You
幼馴染…なの?





鋭い目をしたジョンヨン。







思わず怖くなってしまって、


目をそらす。



ジョンヨン
そうよ、
だから私が1番テテを知ってるの、
テテとずっと一緒にいたのは私なのっ、、







涙がこぼれ落ちていて、




ジョンヨンは本当にテテのことが好き、











そう思った。


ジョンヨン
あなたがテテを好きでもしょうがないことだから良かったの、だって、好きって気持ちは止められないでしょう、??







気持ちを止められない…、





ジョンヨン
でも、あなたは自分の気持ちをなかった事のようにして、私にまでその気持ちを隠そうとして、





ジョンヨンの目は私を真っ直ぐな瞳で



見つめたままだ。











どちらも逸らそうとは、しなかった。



ジョンヨン
だから、だからムカついたのっ、!
好きなら好きって、違うなら違う、
って言わないあなたにムカついたのっ、










ジョンヨンと会ったときに、


仲が深まってきたときから、






間違えているんじゃなかった。




















無意識のうちに、


気持ちを抑えていた、そのときから







私は間違えていたんだ。




ジョンヨン
っっ、ごめんっ、
あたし、もう、帰るね、また明日、
You
…うん、





ガタッ。



ジョンヨンがお金を置いて、

カフェから出て行った。























手を付けられなかった


2つのケーキと



冷めきった紅茶を、












ただ見つめていた。




























それからその場に1時間いたが、



『紅茶を入れ直しますか?』



と店員が聞きに来ないあたりは、
















安いカフェなのに、



気の利いたカフェだった。


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読んでくださってありがとうございます!


まだまだ続きます ~ 🦔🍑🍑🍑

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