第15話

空は青く、百合は白い
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2024/02/03 23:22 更新

神代 あかり
(登りやすいけどちょっと暗いな…)


山道は人が通るためか足場がしっかりしていて登りやすい。
だが、山の木が生い茂っていて太陽の光が当たらず、薄暗い道が続いている。


加えて、この山に入った瞬間に感じた異様な空気。背筋を何かが伝うような気味の悪さ。

あれは壁男の時と同じだった。


ーーこの先に、妖怪は確実にいる。

鬼幽
あかり、なるべく俺と夜鈴から離れないようにしてくれ
神代 あかり
うん、わかった

生い茂った木々の間を抜けるとひらけた土地に出た。

そこには大きな池があって、その池の周りには清らかな白い花が咲き誇り、そよ風に揺れる木々が美しい音色を奏でている。
神代 あかり
綺麗……

私は、その美しさに魅了されて、何かに呼び寄せられるかのように池を覗き込んだ。
水面は、水晶のように澄み渡り、夏の陽光にきらめいている。
遠い水は瑠璃るり色で、とても美しいが不気味なまでに水底が見えない。

神代 あかり
ねぇ、2人とも何かここ想像してた感じと違ってめっちゃ綺麗だね!
神代 あかり
もうちょっと……

不気味な感じなのかと思ってた。

そう言いかけた時、水面に映っていた自分の顔が見る見るうちにやせ細って、最後には骨となり

池から頭蓋骨ずがいこつが水しぶきを立てながら上がってきた。
神代 あかり
きゃあっ

驚きのあまり、尻もちをついてその場に倒れ込む。

それを絶好の機会だとでも言うように、頭蓋骨が大きな口を開きながら、こちらに向かってくる。
神代 あかり
(あ、やば……噛まれる)

そう思った時だったーー。
瞬きする間に、横から繰り出された拳が頭蓋骨を粉々に砕いた。
夜鈴
お前、しっかりするよ!!
神代 あかり
夜鈴…!?
夜鈴
何してるか!?早く立つね!


その声で、我に返って立ち上がると、先程までの清らかな花は枯れ落ち

池は青が色落ちて汚い緑色になっていることに気がつく。
そして、池の中からいくつもの頭蓋骨が飛び出し襲いかかってきた。
神代 あかり
いやああああっ、何これ気持ち悪い!!

私は、反射的に襲いかかってきた頭骸骨を矢で突き刺し地面に叩きつけるようにして砕く。
神代 あかり
え、え何これ!?
神代 あかり
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏!!
夜鈴
あははっ、可愛くない怖がりかたね!

混乱して、念仏を唱える私を見て夜鈴は楽しそうに声を上げて笑う。
鬼幽
大丈夫か!?あかり、夜鈴!
夜鈴
これぐらい問題ないね!
神代 あかり
いやぁっ!大丈夫じゃないよこれ!

噛まれたくない、痛いのは嫌だ。その一心で

次々と、襲いかかってくる頭骸骨を必死に砕き続ける。
鬼幽
…大丈夫そうだな

鬼幽がそう呟いた時だった、池から細くて黒いなにかが伸びてきて、鬼幽の動きを封じるように両手首に巻きついた。
神代 あかり
鬼幽…!?
鬼幽
陽火、陰火…燃やせ

鬼幽がいつも身につけている、耳飾りから二つの炎が出てきて、鬼幽の両手首に巻きついた黒いなにかに近づき、それを燃やした。

黒いなにかは、灰になり地面に落ち、鬼幽の両手は自由になった。
神代 あかり
よかった……

それに安心したのも束の間ーー。

池の中から、千、二千…数え切れないほどに沢山の頭骸骨が襲いかかってきた。




白木 椿紀
白木 椿紀
ここまで読んでくださりありがとうございます☺️🤍
白木 椿紀
白木 椿紀
この話に出てきた清らかな白い花は、白百合で花言葉は「純潔・無垢」と美しいのですがその花言葉とは裏腹に
白木 椿紀
白木 椿紀
「死・死者に捧げる」という花言葉もあるそうです。

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