前の話
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清々しい朝の光を感じ、イソップは目を覚まし
た。今日のイソップは少し憂鬱だと思ってい
た。なぜなら、今日は新しいサバイバーが来る
はずだからである。イソップは社交恐怖であっ
た。そんな彼がナイチンゲールに新しいサバイ
バーへの荘園の案内を頼まれたのだから、仕方
がなかった。
朝が少し弱いイソップであったが、彼は体を起
こして、準備を始めた。丁寧に銀色の透き通っ
ている髪をくしでとかし、仕事着に着替えてい
く。それが終わると、納棺師という仕事をして
いる彼が使っている道具の手入れをし始めた。
イソップは21歳という若さであったが、長年し
てきたかのような慣れた手つきで、たったの数
分で手入れをし終わってしまった。
イソップは、いつものように少し遅めに食
堂へ向かうことにした。彼はマスクをしっかり
とつけ、自分の部屋をあとにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。