第52話

💛(銀太side)
835
2020/06/04 05:07
セフレと別れた後、あなたが居ることを少し期待しながら家に帰った。

玄関を開けると期待とは違いとても静かだった。
まるで何かを物語るかのように…。
銀太
銀太
リビングに行くと机の上にはサイン済みの離婚届とあなたからの手紙。そして指輪が置いてあった。

~手紙~
銀太へ
ごめんなさい。
銀太の事、信じようと思ったけどもう無理でした。
今までありがとう。 銀太と過ごした毎日は本当に
楽しかったし幸せでした。
何も話し合わずこんな形でごめんね。
仕事の時は普通に出来るといいな。
でも銀太が嫌だったら辞めるから遠慮なく言ってね。
お腹の子も産んで育てるつもりです。
銀太に迷惑はかけないから安心して。
本当にごめんなさい。
銀太
銀太
あなた…
俺は言葉が出なかった。

手紙を置き寝室へ行くとあなたの服などは全て無くなっていた。
脇の所にでも行ったのだろうか。

仕方ないはずなのになんでこんな苦しいんだよ…。

この日は電話する勇気が出ず翌朝、早い時間に電話することにした。
朝、いつもより早く目が覚めたので顔などを洗った後ケータイを手にした。

もし出てくれなかったらどうしよう。
逆に出たら何を言えばいいのだろう。考えも纏まってない中、俺はあなたに電話をかけた。
プルルル
少し待って寝ぼけた声で電話に出てくれた。
あなた

はい…

銀太
銀太
俺だけど…。寝てた?
あなた

銀太…

脇
んー?誰?
あなた

銀太だよ

脇
スピーカーにして
あなた

うん…

脇の声がすぐに聞こえ俺の心は更に痛んだ。
銀太
銀太
あのさ…
手紙見たんだけど…
あなた

うん。ごめん。
何も言わず勝手なことして

銀太
銀太
ううん。 大丈夫ばい
俺こそ沢山傷つけてごめんな
あなた

大丈夫

銀太
銀太
離婚届、サインしたら出しとくね
あなた

ごめんね。 よろしく

銀太
銀太
おう
あなた

銀太
銀太
レペゼン地球辞める必要ないから
あなた

え?

銀太
銀太
頑張って普通に接するからさ
同じグループのメンバーとして
一緒に活動しよ
あなた

いいと?

銀太
銀太
当たり前ばい
ここまで来たんだし
最後まで一緒にやろうよ
あなた

ありがとう…

一緒に活動したいってのは事実だけど本当は少しでもあなたと長い時間居たいだけなんだよ…。
銀太
銀太
じゃあまた…
脇
銀!
銀太
銀太
ん?
脇
話したい事あるんだけど…
銀太
銀太
どうしたと?
脇
お前にこんな事言うのもあれなんだけど…
あなたと付き合った…
銀太
銀太
マジ?
脇からの報告に俺は驚きを隠せなかった。
脇
うん
銀太
銀太
そっか
脇
お腹の子は俺の子として
育てようと思っとる…
あんなことしなければ今頃、一緒に名前考えたりしてたんだろうなと思うと苦しかった。
銀太
銀太
脇…
脇
ん?
銀太
銀太
あなたと子どもの事、頼んだ
脇
おう…
銀太
銀太
なんでそんな元気ねえんだよ
任せとけ。位言えよw
強がってるけど多分俺の声、震えてるだろうな…。
脇
絶対2人のこと幸せにするばい!
銀太
銀太
脇なら大丈夫ばい
脇
おう
銀太
銀太
じゃあまた、次の仕事の時に…
あなた

うん…

脇
じゃあな
脇になら安心してあなたの事、任せられる。
だけどやっぱり苦しいよ…。

普通に接すること出来るのかな。
子供産まれたらどんな顔すればいいんだ。

俺はそんな事ばかり考えていた。

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