突然亡くなったはずの彼にあった。
私はびっくりした。
そして彼にこう言われた。
「 また遊ぼう。
どこに行っても大切な人だから。
俺の中ではあなたはいるし、
また逢えると信じてる。
ほら、学校遅れるよ。早く行かないと。
今日は卒業式でしょ?ほら早く。」
と言って消えた。
私は目を覚ました。
目からなにか落ちた。
水だった。
少し塩っぽい水。
そう、私は泣いていた。
夢だった……
急に重々しくなった。
彼の死が本当だって
やっと理解できた気がしてしまった。
本当は理解もしたくなかった。
分かりたくもなかった。
でも彼に一つ言いたい。
「 ありがとう。」って。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!