嘘だ。
嘘だって思いたかった。
なあ、どうして?
どうしてうらさんとあなたセンパイが________________
初めての実委があってから
俺とあなたセンパイの行動時間は
今までの何倍も長くなった。
学校内にいる内のほとんどはセンパイといる。
こんなに嬉しいことってあるんだろうか。
あなたセンパイは俺の下らない話にも
笑って付き合ってくれて、
俺より絶対疲れてるのにおくびにも出さずに
俺を労ってくれて。
何より……
その笑顔は俺を満たしてくれる。
センパイと過ごす毎日は楽しくて、
もちろん忙しくて死にそうにもなるけど。
ずっと側で笑顔を見れる日々は幸せだった。
それもそう長くは続かなかったけどな。
部活中にセンパイがいなくなった、と
マネ達が慌てていた。
俺はすぐにうらさんと飛び出してセンパイを探した。
俺は一通り自分の担当区域を確認し終えると
うらさんが向かった方へ走った。
なんて呑気なことを考えてた。
ひとまず体育館に向かい、
2人の影を見つけて安心して
足を踏み入れようとしたその時。
聞こえてしまったうらたさんの声。
あなたセンパイの体を包み込む姿。
確かにセンパイに向けられた
「好き」の2文字。
俺の頭は状況を理解出来なかった。
は?何で?
どーしてうらさんがあなたセンパイに告白…?
だって俺のこと応援するって……。
2人の間で話は終わったみたいで、
部活に戻ろうとしていた。
あの感じでは返事は先送り。
でも、そんなことを気にできる心境ではない。
俺は2人の先回りをして部活に戻った。
あの現場を見ていたってバレたくなかったから。
でもいつも通りを演じることなんて出来なくて。
あなたセンパイに話しかけられても
下を向き、心は落ち込むばかりだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。