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2020/08/23

第28話

you 15。
現れたうらた君はあっという間に

私を囲っていた輩を追い返した。

影で見ていた女達も舌打ちをして

去って行く姿が見えた。


私は涙が止まらなくて。

感謝を伝えようにも言葉に詰まる。

するとうらた君は私の名前を呼んだ。

いつもは「紫薔薇さん」って呼ぶのに。
うらたぬき
うらたぬき
混乱するかもしれないけど
聞いて欲しい。
俺は………あなたが好きだ。
(なまえ)
あなた
え……?
好き……?

うらた君が………私を…?
うらたぬき
うらたぬき
あなたは…覚えてないと、思うけど……。俺、あなたに会ったことあるんだ。
その時からずっと……好きだった。
うらた君は私を正面から抱き寄せ、包み込んだ。

抱きしめる力は話すと共に強くなり、

覗いた顔は切なげだった。


私とうらた君が会ったことがある…?

私の中で何か閉ざされていたものが

溢れてくるような感覚に陥る。


そう言えば。

修学旅行の時に襲われた頭痛と"彼"の存在、

私が過去について尋ねた時のうらた君の反応。

1つ1つパズルのピースが揃うような。

それでいて修学旅行の時と同じような

頭痛に苛まれながら。

私の中にあった空白に、突然鮮やかな色彩が

詰め込まれて行く。
(なまえ)
あなた
う、うらた君…私……っ!
私はこの時全てを。

"彼"の正体と想いを。

私から失われていたものを。
(なまえ)
あなた
私……全部、全部…思い出したよ‼︎
うらたぬき
うらたぬき
え…⁉︎
(なまえ)
あなた
中学でのこと……今まで忘れてた。
だけど今、思い出した。
私は満面の笑みをうらた君に向ける。

動揺しながらも彼も微笑む。


お互いの瞳に笑顔が映ると、

うらた君はゆっくり私を離した。
うらたぬき
うらたぬき
………とりあえず、部活に戻るか。
(なまえ)
あなた
うん。あ、でも話…。
私はすっかり忘れていた。

記憶が戻ったことに浮かれて

彼が告白してくれたことを。
うらたぬき
うらたぬき
…いーよ、返事は今じゃなくて。
今は色々と気持ちの整理が必要だろ?
落ち着いたら、聞かせてよ。
どこまでも、優しいな…。

確かに今はそうだ。

喜びと興奮が強すぎてまともな返事なんて出来ない。

うらた君は真っ直ぐな告白をしてくれたから。

私もきちんと返したい。
(なまえ)
あなた
ありがとね……戻ろ。
うらたぬき
うらたぬき
おう。
私は部活に戻るなり、皆に謝った。

バスケ部の皆はいい人ですぐ許してくれた。

あとうらた君と一緒に私を探してくれた

坂田君にお礼を言って部活に戻った。

それから何事もなくして家に帰った。


私は今日の元仲間達の襲撃によって

うらた君との記憶を取り戻し、距離が縮まった。

そして警戒する必要があるとも思った。

記憶の整理もしなきゃいけないけど

今は幸せに浸っていたい。


元仲間達以外にも気がかりなことがある。

坂田君の様子がどこかおかしかった。

おそらく私とうらた君が帰って来てからだ。

自分の喜びもあるけれど、

いつも元気な彼の変わった様子に心配も募っていた。