第22話

you 12。
466
2020/07/11 11:29
書類を早々に提出し、今日から入部。

練習前に挨拶をすることになった。
(なまえ)
あなた
…今日からマネージャーを
務めることになりました、
紫薔薇あなたです!
こんな見た目だし3年だし、
信頼できないかもですが
不慣れなりに頑張ります!
よろしくお願いします‼︎
脳内で作成した原稿を読み、

笑顔を向けた後お辞儀をした。

部員やマネ達の反応は上々だった。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
あなたセンパーイ!一緒帰ろや。
(なまえ)
あなた
分かった、荷物持って来る。
片付けまで終えて1番乗りで身支度の終わった

坂田君が駆け寄って来た。

心なしか声が弾んでいるよーに感じる

彼に返事をし、荷物を取って元に戻った。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
よし、帰ろ…あ!
うらさんも一緒に帰ろーや‼︎
うらたぬき
うらたぬき
ん?うらさんも、って
……紫薔薇さんか。
ちょっと待っててくれ。
うらた君も来て学校を出る。

3人横に並び、今日の部活話に花を咲かせる。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
センパイ、マネどーやった?
辛ない?続けてくれる?なあ?
うらたぬき
うらたぬき
おい坂田、そんな焦るな。
(なまえ)
あなた
んー…割と楽しかったよ。
久々に働いた、って感じ。
続けるよ、続ける。
今日はマネの仕事と物の置いてある位置の説明、

軽い仕事をいくつかこなした。

元々いたマネは3年1人、2年1人、1年2人。

皆明るく仕事が出来るタイプで、

今までこの人数でもやってこれたのにも納得がいく。


正直ギャルな私だがやる以上は

真剣にやりたいので髪は上で結い、

ネイルとつけまは外しておいた。

後輩、入部順的には先輩マネ達は

私の見た目は関係なく接してくれて良い子達だった。


しばらく真面目な部活動に無縁だったが、

いざ活動するとマネでも充実感を味わえた。

不純な目的とは言え頑張れそーだ。


…と、今日思ったことを2人に話した。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
誘って良かったわ。
よろしく、あなたセンパイ‼︎
うらたぬき
うらたぬき
部活出来るのも後少しだけど
お互い頑張ろうな。
(なまえ)
あなた
うん、そだね!
すっかり分かれ道になり、

それぞれ自分の家へと歩を進めた。



次の日の放課後は部活がない。

体育祭実行委員会があるからだ。

クラスで全く仕事をしないのは数人で、

大多数は何かしらの役職をこなさなければならない。

高校に入ってからは何もしてこなかった私だが、

例によって体育祭にまで

真面目に参加することになっていた。
(なまえ)
あなた
……私、見た目以外
ギャル要素ないじゃん…。
今日は顔合わせと軽い打ち合わせ。

知り合いなどいるはずもないと

同クラの男子の横に座ろうとしたら
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
………あーーーーーー‼︎
(なまえ)
あなた
…⁉︎
相変わらず変なとこでしっかりお腹から出した

とんでもない声量を発揮する赤髪の彼。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
あなたセンパイ用具⁉︎用具なん⁉︎
(なまえ)
あなた
………うん、そう……。
彼の声量と人気はかなりのもので

周りの視線を一気に集める。

中には刺すよーな目をした女子もいて中々に怖い。
(なまえ)
あなた
…とりあえず静かにして。
座ろ、坂田君。
興奮冷めあらぬ彼を席に着かせ、

自らも座って資料に目を通す。

私の対面に座った坂田君は資料を見ずに

私の顔を満面の笑みで見つめて来る。

彼の隣にいる子を始めとした

女子の視線が怖いのでやめて欲しいんだけど…。


……体育祭もまた、一悶着ありそうだ。

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