第27話

u I 8。
413
2020/08/18 07:35
何かおかしいと思った。

でもしばらくは動けなかった。


バスケ部の休日練。

ドリンクを取りに行ったはずのあなたが

帰ってきてないらしい。

マネージャー「部長!あなた先輩が
       20分も帰って来ません!」

マネージャー「そんなに時間のかかること
       じゃないのに…。」

部長「まさかサボりかあ?」

マネージャー「まさか‼︎あなた先輩は
       そんな人じゃありません‼︎」

部長「そうだよな。でも全員で探す訳には…。」
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
はい!部長、俺行く‼︎
誰かが探しに行く、と言う方針で

まとまったようだが問題は誰が行くか。

そこですぐに名乗りを挙げたのは坂田。

あなたに関する時に見られる本気の目をしてる。

俺だって負けてられない。
うらたぬき
うらたぬき
…俺も行く。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
お、うらさん!どう手分けする?
うらたぬき
うらたぬき
俺は1回部室に見に行ってから
その周辺を探す。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
んじゃ、俺は校舎側やな。
部長「2人で大丈夫か?」
うらたぬき
うらたぬき
大丈夫!行くぞ、坂田。
あほの/となりの坂田。
あほの/となりの坂田。
部長、俺らに任せて!
よーし、行くでうらさん‼︎
心配そうなマネ達に声を掛け、

俺と坂田はお互い反対方向へ走って行った。


まずは部室に向かった。

あなたが来た形跡は見当たらず、

別の場所を探すことにした。

それから部室周りを1周し、

どこにもあなたの姿がないことを確認した。
うらたぬき
うらたぬき
…あなた、どこ行ったんだよ…。
残るは体育館裏。

ショートカットのために体育館へ

足を踏み入れようとしたその時。
(なまえ)
あなた
……っはぁ、は………。
よろけながら金髪を揺らすあなたに

声を掛けようとしたら

妙にガタイが良く遊び呆けてばかりいそうな

男達があなたの後ろに迫っていた。

しばらく様子を見ようとしたが、

男達に腕を掴まれて

涙を浮かべるあなたを見たら_______
うらたぬき
うらたぬき
………何、してんだよ。
思わず体が動いた。

あなたを背中に匿うと向かってくる男達の攻撃を流し、

顎やら溝落ちやらに拳を入れてやった。

男「…ハア?このチビ、強……。」

男「んだよ、だりーな‼︎」

俺の1.2発で沈んだヤツらは

捨て台詞だけ吐いて去って行った。
うらたぬき
うらたぬき
…紫薔薇さん、大丈夫?
(なまえ)
あなた
うら、たく……私、私………。
あなたは大きな瞳に溜めていた涙が、

男達がいなくなった途端溢れ出した。

一瞬どうしようか戸惑った。

紫薔薇さん。

そう呼んで慰めようと思ったが、いざ口を開いたら

自分でも思いもしない言葉が飛び出して行った。
うらたぬき
うらたぬき
あなた、聞いて。
(なまえ)
あなた
え?うらた君あなたって…。
うらたぬき
うらたぬき
混乱するかもしれないけど
聞いて欲しい。
俺は………あなたが好きだ。
気付いた時には制御なんて効かなくて。

言葉を紡いだ後には_________

あなたの華奢な体を強く抱きしめていた。

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