坂田君の部活勧誘を躱し、
うらた君と総務の仕事をサッサとこなして
修旅の前日まで来た。
あなた父「おー。気をつけてけよ。」
あなた父「これかー?」
私とお父さんは仲良し。
お父さんはとても優しくて
ギャルでいることも許してくれてる。
2人暮らしだけどお金には困ってない。
お父さんは新人の頃から優秀でよく出世して、
まだ若いのに会社のお偉いさんなのだ。
あなた父「…あなた。学校は大丈夫か…?」
あなた父「友達は……」
あなた父「……おやす、み…。」
私はお父さんの言った"友達"と言うワードに
過剰反応して逃げるように自分の部屋に入った。
ごめんねお父さん。
私は"昔の自分"には戻れないよ…。
翌日、修旅1日目。
今は校庭に集合してるとこ。
昨日どーも寝付きが悪かったし、
朝の化粧ノリも悪くて私は不機嫌だと言うのに
朝からうらた君はハイテンションだ。
またハイテンションな奴が現れた…。
遠くでブンブン手を振っている。
聞こえてるんかい!
小さい声で言ったはずなのに地獄耳だな。
うらた君は坂田君と知り合い?
…て、2人ともバスケ部だからそりゃそっか。
今日イチの大声で叫ぶと彼は帰って行った。
2人とも顔を見合わせて軽く笑った。
それから朝礼の様なものを終えてバスに乗り込んだ。
バスでも私とうらた君は隣だ。
2人で坂田君の奇行について話しながら過ごした。
今日は全体行動でバスで観光名所を回るだけ。
長ったらしい説明を「折角だから」と聞いてたら
私は少人数派だった。
全ての予定が終わり、旅館に着く。
自分達の部屋に荷物を下ろして
早々にお風呂に入る。
地味に同級生にスッピンを見せるのは初めてだ。
去年も一昨年も校外学習をサボったから。
ブスなこと、いじられないといいなぁ…。
女子「え⁉︎紫薔薇さんそれスッピン⁉︎」
女子「え、嘘⁉︎マジ⁉︎」
何を驚いてるのか話しかけられたので答える。
何言われるかと身構えれば
女子「すご〜い!いつもと全然変わんない‼︎」
女子「ほんとすごい!」
女子「メイク盛りしてんのかと思ってた〜!」
どーやらスッピンをお褒めいただいたらしい。
妙に視線を感じながらもサッサと髪や体を洗い、
湯船に短めに浸かって出た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!