(ミドルスクール
契約書を手に持ち、いい笑顔をしながら俺の目の前へと来る
うっ、顔がいい←
…確かにこれからも声が出ないのは不便……
んー……………
…………
……
もう対価なんでもいいから頼むか←
こくりと頷こうとする
しかしその直後誰かに顔をつかまれたため頷くことが出来なかった
いや誰だよ掴んでんの
せっかく恐ろしい対価←への心の準備出来たのにッ!
どうやら犯人はフロイドのようだ
俺の顎をぐいっとつかみながら言う
その隣でニコニコとしながらジェイドも反論する
いやおもしろいってなんだいフロイドくん!?
君の基準やっぱりおもしろいかどうかなの!?
え、もしかして声出たらポイって俺捨てられちゃう?←
え、マジ?そんかこと言ってた?
ぜんっぜん聞いてなかったわ←
手を降ってアズールに別れを告げる
アズールもそれに応え、俺ににこりと笑いながら手を振り返した
あー、やべえ
早く帰んないと、麗しいマザーに怒られちゃうッ☆←
サメに喰い付かれ悪くなった尾びれを動かして猛スピードで家に帰った
________Noside
あなたの姿が見えなくなると、アズールは不服そうな顔をした。契約であなたの声を治すことが出来なかったからである
出来なかった元凶の2人をみて、質問を投げかけた
手を顎に手を当て、しばらく考える
ニコリと笑って返答した
アズールはこのあなた大大大好きな2人のことだから「もちろん」と即答する
そう思っていたが、嬉しくない、という言葉を聞いて思わず口が開いたままだ
ふわりと笑っていた顔からニヒルな笑みへと変わる
こちらもニコニコと笑いながら言い放つ
ぱらりと持っていた契約者が手から滑り落ちた
やれやれと落とした契約書を拾い懐に直す
双子は笑っていた
しばらくあなたのどんなところがいいかを話しまくっていると←、アズールがハッと何かを思い出したような表情をする
そして口を開いた
真顔でとんでもないことを言い出した
ピシリと2人の表情が固まる
そしてドス黒いオーラが目に見えてきた
しばらく考える
2人ともとその通りだ思ったのか、頭を縦に動かした
先程までは呪いかけたやつを締めるとか言っていたが、今では逆に治らない可能性が高くなったので嬉しいらしい←
ニコニコと年相応の子供らしい笑みを浮かべている
アズールは改めてそう思った
一方、そんなことをまったく知らないあなたは
待って、待って、こんな美男美女に見られてんの死にそうなんだけど、え?もう昇天しちゃう的な?←
恥ずか死しそうだったらしい←
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!