(沈没船
……暇
ずっと何をするか考えているうちに、視界にひとつのものが入る
古いピアノだ
ピアノの近くにより、蓋をあげる
試しにひとつの鍵盤に手を置いてみた
ドーー
綺麗な音が部屋いっぱいに響き渡る
なんで海中なのにピアノがご健在であるのかそこは無視しd((((
近くにあった椅子を持ってきて、ピアノの前へと置く
座って演奏を始めた
前世ではピアノをさせられていたので大体は弾ける
大学に入ってからはあまりしていなかったので、久しぶりの感覚に胸が高鳴った
あ、これめっちゃ楽しい
最近退屈だからついつい夢中になって弾きまくった
(沈没船近く__???side
砂が広がる海中で、2匹は泳いでいた
この辺りはサメが多い、なので襲われることもしばしば。そんなスリルを求めてでもいるのかよくここに来ている
しかし、どことなく退屈そうな様子だ
1匹が泳いでいた尾びれを止め、その場に留まる
そして手を顎に当て、ふむ、といった感じとなった
不思議そうに見ながら聞く
耳をすませ、辺りを探る
すると確かに何か音楽のような音が聞こえてきた
場所はよく分かっていないはずだったが、何故かあそこだと何か本能で感じる
尾びれをしならせ、無我夢中で向かっていった
なぜそう必死になるのかは分からない、しかし何故か早くその音を間近で聞きたかった
そして着いた先は
ところどころ穴が空いてるボッロi…古い沈没船←
中からは楽器の他に、歌声が聞こえる
綺麗で思わず2人は聞き入ってしまっていた
さっきまでの退屈そうな表情は一体どこへいったのか
無邪気に笑みを浮かべている
こちらも同じように口角を上げた
(IN沈没船
中からは綺麗な音が溢れている
顔を見合せ、ニタリと笑った
タレ目の方がドアを開けr……
いや、ボロすぎて壊れてしまった←
取ってだけが彼の手の中に残る
しばらく呆然と見ていたが飽きたのかすぐに捨てた
そして取ってだけでなくドア丸ごと壊して侵入した←
中に入ると、海の中でも魅惑の音を奏でる楽器、透き通るような歌声、そして
自分たちにそっくりな後ろ姿の人魚が1匹
まるで新しい獲物を見つけたかのように、目をギラギラとさせる
当の本人は演奏に夢中らしく、全く気づいていない
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。