第12話

「黒い魔女」
39
2019/07/20 04:22
俺は、深結との勝負での罰として
深結の言うことを聞く事になっている。


しかし、最近になってこの指令が
やたらとキツくなってきた。



見た目からは想像も出来ない程の、
キツい指令ばかりである。
深結
深結
んー、次はね〜…
あなた

ちょっと待てよ!

暴走が止まらない深結。
俺は思わず声をあげてしまった。
深結
深結
んー?どうしたの、お兄ちゃん?
あなた

どうしたの?じゃねぇって…
最近、命令キツすぎじゃねぇのか?

深結
深結
えー?そうかなぁ?
「ダメだコイツ…」と思ったその矢先の事だ。
あなた

お前…ふざけんなよ!!

俺はあの時のように怒号を上げていた。


今回はしっかりとした理由がある。
深結
深結
…お兄…ちゃん?
あなた

俺の事は微塵も考えてないってのか?
…俺の事が好きって言うなら、
もうこんな事は辞めろってんだよ!!

…これ、他人から見たら
子供を注意してる人の図だよな。

どうしたら深結を改心させられるんだ…
深結
深結
ふーん、そっかぁ…
聞いてくれないんだね。
あなた

…は?

深結
深結
深結はね、
お兄ちゃんが好きだから
こういう事をしてるんだよ?
それを辞めろだなんてさぁ…
あなた

(くそっ…!何だこの殺気は…!?)

突如として、深結の雰囲気が変わった。

俺が知っている深結とは、全然違う。
深結
深結
お兄ちゃんには悪いんだけど、
教育、してあげないとねぇ…?
あなた

…!

圧倒的な威圧感に押され、
俺の動きは完全に止まった。
深結 (黒い魔女)
深結 (黒い魔女)
…さて、始めましょうか。
あなた

(…なんだコイツ…?)

深結 (黒い魔女)
深結 (黒い魔女)
…貴方に絶望というのを教えるわ。
私に逆らうという事の絶望よ。
俺が見ていたのは、俺が知らない
一人の女性が居たという風景。


それはとんでもない速度で俺に接近してきた。
深結 (黒い魔女)
深結 (黒い魔女)
はぁぁぁっ!!!
あなた

っぐ!?

接近するなり、強烈な正拳突きが俺を襲う。

あまりにも強烈すぎて、
俺の身体は後ろに仰け反った。

受け身を取って立て直そう――そう思った時の事だ。
深結 (黒い魔女)
深結 (黒い魔女)
これで、終わりよ。
あなた

なっ…!?

立て直そうとするその前に、距離を詰めてきた。

何者なんだ、コイツは…!?
深結 (黒い魔女)
深結 (黒い魔女)
…自分の行動を後悔する事ね。
これが貴方へ贈る最初の絶望よ。
訳が分からない事を言い続けている。

反撃しようとした、その時だった。
深結 (黒い魔女)
深結 (黒い魔女)
…黒い薔薇は咲き誇り、
黒い魔女へと変貌する。
とだけ、言っておいてあげるわ。
勘が良い貴方なら、分かるわよね?
あなた

…それって、まさか…!
じゃあ、お前は…!?

深結 (黒い魔女)
深結 (黒い魔女)
…私は深結。
絶望を与える者と言った所かしら。
「黒い魔女」とでも呼んでくれる?
あなた

っ!

この時の深結が放った一撃。


それは、俺を破滅に追い込む一撃だった。





「黒い魔女」の深結が
俺に植え付けた、最初の絶望だった。

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