ブラックジャックとポーカーで、
深結に完膚なきまでに叩きのめされた俺。
深結の約束通り、俺は深結の
「言うことを聞く」状態になった。
不安要素が絶えないのはご愛嬌だ。
上機嫌そうな深結は、俺の目の前に
1つの料理を出した。
って、これはご褒美なのか…。
深結にも少しくらいは
優しさがあるんだな、と思った。
俺はそれを静かに受け取り、偶然
そこに置いてあったスプーンですくい上げ、
料理を口にした。
物凄く眠い。目を擦りたくなってきた。
それだから、反応も薄れるのだ。
徐々に喋る声に覇気がなくなる。
俺は再び眠りについた。
何をしたのかは謎だった。
この後俺が目覚めるまでに、約1週間は要した。
そして、その次の事。
こんな風に、色々な事を深結に命令されては、
それを実行し続ける日々が続く。
だが、深結の命令は徐々に強さを増していった。
こんな見た目からは想像も出来ない程の、
凄すぎる命令ばかりだ。
そして、ある日の事。
遂に俺の限界がそこで止まった。
しかし、それは破滅を意味していた。
都市伝説ともなった「黒い薔薇」の話には、
ごく僅かな人しか知らないであろう
続きが存在していた。
深結の本当の恐ろしさを、俺は知ることになる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。