不良達が逃げて行ってから
わたしは女の子に近づいてしゃがんだ。
ゆっくり手を近づけて
頭を触ると
あ…タンコブ…多分、この壁にぶつけてできたんだ…
目を開けて、わたしを見た。
とっさに、頭を触っていた手を引っ込めた。
ホット胸を撫で下ろすかのようにして
笑いながらそう言った。
…か、可愛い…
何この人…超可愛い
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一時はどうなるかと思ったけど…
また助けられちゃった。
…この間もそうだったけど
あんなに人気がない分かりにくい場所だったのに
なんで、わたしの居場所が分かったんだろう
わたしはつい、チラッとその人の顔を見た。
…やっぱり赤い瞳すごく綺麗だし
かっこいいけど、すごく整った綺麗な美女さんだ。
いいなぁ〜…なんて思って見ていると
oh……
どうやら見過ぎてしまったらしらしい。
わたしの顔を見てきて
目が合ってしまったのだ。
わたしは思わず口が大きく開いてしまった。
驚きを隠せなかった。
今、絶対わたしの顔赤い。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!