第116話

ひゃくじゅうさん
1,163
2021/02/01 12:00


自分の無力さが分かったと同時に彼女のことは
何があっても助けようって、そう思った。




彼女の弱い部分?を初めて見た気がした。

 











小 田 切 竜 。
俺さずっとあなたと一緒にいるからあなたの全部が分かると思ってた。


部屋を移動して3人になってから小田切が
ボソッという。

矢 吹 隼 人 。
分からないことだらけだよな……
山 口 久 美 子 。
お前らはあなたのこととっても大事に思ってるんだな。
小 田 切 竜 。
小さい頃からみたら親より一緒にいるしな。
矢 吹 隼 人 。
あなたは基本明るいけどあれは取り繕っているにすぎないしね……
山 口 久 美 子 。
取り繕ってる?
小 田 切 竜 。
……
小 田 切 竜 。
これ知ってるの俺と隼人だけだし、あなたも絶対口に出さないけど、あなた、両親の交通事故の原因、自分だって思っているから。
山 口 久 美 子 。
どういうことだ?
小 田 切 竜 。
あなたは幼少期、俺と違って我儘一切言わない子だった。
矢 吹 隼 人 。
ある日、あなたがどうしても旅行に行きたいって言ったんだって。滅多にない家族3人とも休みの日で、あなたにしては結構しつこく言ったんだって。
小 田 切 竜 。
車で行くことになったんだけど……
その当日に事故が起きて親父さんは即死、お袋さんとあなたは重体だったんだけど結局生き残ったのはあなただけだった。
山 口 久 美 子 。
そんな……
矢 吹 隼 人 。
事故だった。けどあなたは自分がパパとママを殺してしまった。って思っている。私が旅行に行きたいなんて言わなければって。
小 田 切 竜 。
あんまり今とか言わないけど、というかずっと1人で抱えてるんだと思うけどそれで後悔してる。当初はあなたも死のうとしてたんだ。


更にそんな過去があっただなんて……

小 田 切 竜 。
あなたは自分は罰を受けるべき人間だとずっと頭の片隅で思ってるから自分のことなんてどうでもよくて。
矢 吹 隼 人 。
なのに俺らのことは誰よりも見て助けてくれるんだよ。


あなたはさっき言ってた。

△△ ○○
私は結局逃げていただけだった。過去を受け止めずに自分で自分の道をたって現実と向き合うのを避けてた。


私も安易に色々と押し付けて、それが彼女を
どれほど苦しめているかなんて知らなかった。



あなたは誰もが逃げるであろう現状に
立ち向かっている。




そんなあなたは誰よりも強い。そう思った。



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