私は隼人と竜たちの元に向かう
……私は先行に従うつもりなんてない
次の日
そういい資料をまわしてくる山口
……バカみたい
私も山口が持ってきた大学案内みたいなやつを
パラパラとめくってみる
昔の私は弁護士になりたいから東大に
行きたいなっていう夢があった
模試でも一応大学名はそう書いてるけど判定は
AとかBとかCとかまちまち……
上手く言えないけど心の奥底では夢を目指したいって思ってるのかもしれないな……
でも私は夢なんか目指しちゃいけない存在
けど、けどなんか山口を見てたら少し気持ちが
変わっている
先行って今まで信じられないと思ってたし今も
そう思ってる
でも竜と隼人と私を繋げてくれたのは山口
こんなに他人のことなのに献身的な人を
初めて見たと言っても過言じゃない気がする
コイツなら少し、少しだけ賭けてみても
いいんじゃないかって
でも……
もう私は裏切られたくない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。