⚠︎矢吹side
あなたの病院に付き添った俺
あなたはまだ目を覚まさない
早く目覚ましてよ……
少し経ってからヤンクミが来る
取り敢えず今日のところは帰らなくちゃ
いけなくなった
明日の朝、竜が大丈夫そうだったら竜と、
ダメそうだったら1人であなたの家に行って
病院に向かおう
翌朝
竜も少し落ち着いたようで2人であなたの家に行く
そして合鍵であなたの家に入る
あなたの部屋の中に入り絶句する
そこには荷物が纏められた段ボール箱の山々
竜があなたの机の上に置いてあった手紙を指さす
"竜・隼人へ"
と書かれた手紙
俺らは急いで開ける
"竜・隼人へ"
これを見たってことはウチらは
もう離れ離れってことかな
ずっと2人に言えなかった
竜が軟禁された日
竜のパパと約束したんだよね
もう昔の関係性と違うから、
竜と離れろってこと
竜のパパの気持ち、
分からないこともなかったし
私のせいでたくさん厄介事に
巻き込ませたことは間違いない
だからあの時竜がパパとの関係性
よくなるなら私のことなんて
どうでもよかった
竜が幸せになれるなら二度と会えなくても
良かった
それとも、私の身に何かあってこれを
見たのかな
何かあるとしたら工藤先輩のことかな
この前会った時から覚悟してたよ
竜と隼人が救われるならどんな条件でも
受け入れようって
でもほんとは違うのかも知れない
ほんとはそういう口実で2人の元から
消え去ろうとしてた
" 私は1人でも大丈夫 "
" 私は強い "
ずっとそう思い込もうとしてた
でも私には竜と隼人が居ないと無理だった
だから、どちらにしろ私はこう思ったの
" 2人がいないなら生きている意味ない "
って
もう限界
結局生きてたところで私は幸せに
なっちゃいけない
私はもう" 親を殺した "という事実から
逃れたい
所詮私は竜と隼人がいなきゃ何も出来ないし
あなたの手紙は続く
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。