第154話

ひゃくよんじゅうきゅう
857
2021/04/03 14:00


お店の外はお客さんの行列が出来ている















矢 吹 隼 人 。
  あざーした  
△△ ○○
  ありがとうございました!  
山 口 久 美 子 。
  アイツらっ……!  


中を覗き込むと矢吹以外のメンバーまで店を
手伝っている

ク マ 。
  ヤンクミ?  
何やってんだよ


出前から戻ってきたクマ

山 口 久 美 子 。
  小田切たちまでどうしたんだよ  
ク マ 。
  今日珍しく店混んでてな  
手伝ってもらってるんだよ
山 口 久 美 子 。
  そっか  
矢 吹 隼 人 。
  水、水!  
△△ ○○
  隼人もっと丁寧にテーブル拭け!  
矢 吹 隼 人 。
  うっす  


1番家事が出来るであろうあなたの怒号が飛び交う笑

山 口 久 美 子 。
  矢吹のあんな顔初めて見たな  
アイツなんか見つけられるんじゃないのか?
△△ ○○
  竜、小皿1枚ね  
小 田 切 竜 。
  はい  


⚠︎あなたside



熊井さんのラーメン屋を手伝ったあと
いつもの溜まり場へ熊井さんと
熊井さんの妹弟と竜たちと来た

土 屋 正 光 。
  熊井さんその年で店やってるって  
凄いですね
ク マ 。
  店ったってあんな小さくて  
ボロい店だよ?
日 向 浩 介 。
  いやぁでも凄いっすよ  
△△ ○○
  私たちと3歳くらいしか  
かわらないですよね?


熊井さんをただただ尊敬する



将来お店の切り盛りとかそういうのは
考えたことなかったから私にとって
初めての経験だったというか







矢 吹 隼 人 。
  でも最初から決めてたんですか?  
ラーメン屋継ぐって
ク マ 。
  全然。  
俺親に反抗ばっかしてたからさ、
あんな店継ぐもんかって
小 田 切 竜 。
  じゃあどうして?  
ク マ 。
  高3の時親父が死んじゃってな  
その時ヤンクミに言われたんだよね


これから親孝行すればいい



真っ直ぐ前見て親父さんに恥ずかしくないように
生きていきゃいいんだよ

△△ ○○
  山口らしいですね  
ク マ 。
  あん時俺にとっての親孝行はあの店を
大事に守っていくことだと思ってさ。
あんなボロいラーメン屋だけど親父が
俺らのために頑張って働いていた場所
だったからな










親孝行……か……



私は何もしてない



親孝行するまでもなく亡くなってしまったし
何より親孝行以前に私が両親を殺してしまった








未だに私は両親のお墓や会社に足を向けられない



現実から逃げているだけなのかもしれない



でもその一方で私は両親と会う資格なんて
無い



そう思っている














⚠︎隼人side



竜たちと分かれ、熊井さん熊井さんの妹弟と
夜道を歩く

矢 吹 隼 人 。
  熊井さんって親父さんのこと  
尊敬してるんですね
ク マ 。
  全然  
でも何だかんだいって親父って
でかいよな
矢 吹 隼 人 。
  いやうちの親父は全然  
口うるせぇしだらしねぇしすぐ
手出るし
ク マ 。
  お前にもそのうち分かるさ  





その時突然柄の悪い男たちが現れる

地 上 げ 屋 。
  お待ちしてましたよクマさん  
こんな所にいたの
矢 吹 隼 人 。
  なんすか?あんたら  
ク マ 。
  矢吹やめろ!  
地 上 げ 屋 。
  そろそろ例の件いいお返事を聞かせて
もらえませんかね、熊井さん
ク マ 。
  言ったはずだ、あの店は売らねぇって  
地 上 げ 屋 。
  そうですか  
それは残念だなぁ


ジリジリと詰め寄ってくる奴ら














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